“橘柚”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
オレンジ50.0%
きついう50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
橘柚オレンジ檸檬リモネの林を見下し、高くは山巓さんてんの雲を踏み、低くは水草茂れる沼澤の上を飛びしときは、終に茫漠たる平野の正中たゞなかなる羅馬の都城に至りぬ。
薄片鐵ブリキを塗りて葉となしたる蔓艸つるくさは、幾箇のさゝやかなるあづまやに纏ひ附きて、その間には巧に盆栽の橘柚オレンジ等をならべたり。亭の前なる梢には剥製の鸚鵡あうむまりたるあり。
読み難いのは茶山の艸体である。蘭軒の姉は彼餞以外に別に何物をか茶山に贈つた。茶山は帰後時々それをつて興を添へると云つてゐる。其物は「金柚」と書してある如くである。柚は橘柚きついうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)