“オレンジ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
35.3%
橙色17.6%
香橙11.8%
橘柚5.9%
洋橙5.9%
橙樹5.9%
橙花5.9%
香橙色5.9%
黄橙色5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんの気なしに「座長、一天斎驚倒師」と大きく朱で書いてある橄欖オリーブオレンジのリボンで飾られた写真姿を見たとき
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
靄に濡れたなぎさの円い小石が、まだ薄すらと橙色オレンジを止めた青い空を映している。そして落葉の上に白い霜が、また枯れかかった草の葉に露の玉が、朝日にきらきらと輝いている。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
東京の町中の四季を語っているような水菓子屋の店頭みせさきには、冬を越した林檎りんごや、黄に熟した蜜柑みかん香橙オレンジなどの貯えたのが置並べてあった。二月末のことで、町々の空気は薄暗い。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
橘柚オレンジ檸檬リモネの林を見下し、高くは山巓さんてんの雲を踏み、低くは水草茂れる沼澤の上を飛びしときは、終に茫漠たる平野の正中たゞなかなる羅馬の都城に至りぬ。
薄片鐵ブリキを塗りて葉となしたる蔓艸つるくさは、幾箇のさゝやかなるあづまやに纏ひ附きて、その間には巧に盆栽の橘柚オレンジ等をならべたり。亭の前なる梢には剥製の鸚鵡あうむまりたるあり。
黄からくれないに——そうすると、それが黄橙色オレンジになるではございませんか。黄橙色オレンジ——ああ、あのブラッド洋橙オレンジのことを仰言おっしゃるのでしょう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その上にある梨と洋橙オレンジは全部二つに截ち割られていて、鑑識検査の跡が残されているが、無論毒物は、それ等の中にはなかったものらしい。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それでも、アナトール・フランスの温室の中にえ出てる橙樹オレンジ鉢植はちうえ、パレスの魂の墓地にのぞき出てる繊細な水仙花すいせんか、それらの前に彼はしばらく足を止めて珍しげにながめた。
コゼットは白琥珀こはくの裳衣の上にバンシュしゃの長衣をまとい、イギリス刺繍ししゅうのヴェール、みごとな真珠の首環くびわ橙花オレンジの帽をつけていた。
反照電熱機のような、香橙色オレンジまるな夕陽を、地中海が受け取って飲み込んだ。同時に、いろいろの鳥が一せいに鳴き出して、白楊はくようの林が急に寒くなった。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
黄からくれないに——そうすると、それが黄橙色オレンジになるではございませんか。黄橙色オレンジ——ああ、あのブラッド洋橙オレンジのことを仰言おっしゃるのでしょう。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)