橙色オレンジ)” の例文
そのうえ、ここはさまざまな屈折が氷のなかでたわむれて、青に、緑に、橙色オレンジに、黄に、それも万華鏡のような悪どさではなく、どこか、縹渺ひょうびょうとした、この世ならぬ和らぎ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
靄に濡れたなぎさの円い小石が、まだ薄すらと橙色オレンジを止めた青い空を映している。そして落葉の上に白い霜が、また枯れかかった草の葉に露の玉が、朝日にきらきらと輝いている。
湖水と彼等 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
窓からは、木々の青々とした梢を透して夕焼の色が橙色オレンジに褪めかかっている。
薔薇と巫女 (新字新仮名) / 小川未明(著)