橘柚オレンジ)” の例文
橘柚オレンジ檸檬リモネの林を見下し、高くは山巓さんてんの雲を踏み、低くは水草茂れる沼澤の上を飛びしときは、終に茫漠たる平野の正中たゞなかなる羅馬の都城に至りぬ。
薄片鐵ブリキを塗りて葉となしたる蔓艸つるくさは、幾箇のさゝやかなるあづまやに纏ひ附きて、その間には巧に盆栽の橘柚オレンジ等をならべたり。亭の前なる梢には剥製の鸚鵡あうむまりたるあり。
その他は皆けづり成せる斷崖にして、その地勢拿破里に向ひて級を下るが如く、葡萄圃と橘柚オレンジ橄欖オリワの林とは交る/″\これを覆へり。岸に沿へる處には、數軒の蜑戸たんこ一棟むね哨舍ばんごやとを見る。