最中さいちう)” の例文
と云ひつぱなして、それなり消えて仕舞つた。すると、つぎの時間に又何処どこからかあらはれた。今度こんどは何と思つたか、講義の最中さいちうに、突然
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とまつとつちやいかん。ようのないものはずんずん前進ぜんしんする‥‥」と、さわぎの最中さいちう小隊長せうたいちやう大島少尉おほしませうゐががみがみしたこゑ呶鳴どなつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
そんなはなし最中さいちうにサァーツとおとをたてゝうるしのやうにくらそらはうから、直逆まつさかさまにこれはまた一からすがパチパチえてる篝火かがりびなかちてきた。
火を喰つた鴉 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
すずめとうさんのおうちのぞきにました。丁度ちやうどうちではおちやをつくる最中さいちうでしたから、すずめがめづらしさうにのぞきにたのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
實體に勤め上しかば豐島屋の暖簾のれんもらひ此鎌倉河岸へ居酒屋の店を出せし處當時常盤ときは橋外通り御堀浚おほりざら御普請ごふしん最中さいちうつきかれが考へにて豆腐とうふ大田樂おほでんがくこしらへ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……酒氣しゆき天井てんじやうくのではない、いんこもつてたゝみけこげをころ𢌞まはる。あつかんごと惡醉あくすゐたけなはなる最中さいちう
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大祝賀會だいしゆくがくわいもようすとのことその仕度したく帆木綿ほもめんや、ほばしらふるいのや、倚子いすや、テーブルをかつして、大騷おほさわぎの最中さいちう
御馳走は例の細君の手料理の西洋料理で、堅いオムレツはもうすんで三皿目のシチウを今三人で最中さいちう食つてゐる。鶴子さんはビールの瓶を兩手で握つて水月の突出したコップにつぐ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
同時に又丁度ちやうどその最中さいちう糠雨ぬかあめの降り出したのも覚えてゐる。
二人の友 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
するとあの騒動の最中さいちうかな。
雅俗貧困譜 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
自分の経営にかゝる事業が不景気の極端に達してゐる最中さいちうだから、此難関をぎ抜けたうへでなくては、無責任の非難を免かれる事が出来ないので
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかるに、人間にんげん萬事ばんじは、じつ意外いぐわいまた意外いぐわいこの喜悦よろこび最中さいちう非常ひじやう事變じへんおこつた。
のべらる取次は此段早速御奧へ申上ければ中納言綱條卿つなえだきやう先達せんだつてより御病氣なりしが追々おひ/\御全快ごぜんくわいにて今日は中奧にうつらせ給ひ御酒ごしゆくだされて御酒宴の最中さいちうなり中にも山野邊主税之助やまのべちからのすけと云ふは年は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その方がいのちに奥行がある様な気がする。今日けふも、何時いつもなら、神秘的講義の最中さいちうに、ぱつと電燈がく所などを繰返してうれしがるはづだが、母の手紙があるので、まづ、それから片付かたづけ始めた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
かたきねらうたんとて先生と同道どうだうなし元栗橋もとくりばしゆかんとの相談さうだん最中さいちうは全く其奴等そいつら三人を土手迄どてまで引出しばらして仕舞ふ計略けいりやくならんと悟りし故助太刀せんと先へまはり此處にて待伏したればこそ此始末このしまつかたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
猛狒ゴリラいかつて刀身たうしん双手もろてにぎると、水兵すいへいいらだつてその胸先むなさき蹴上けあげる、この大奮鬪だいふんとう最中さいちう沈着ちんちやくなる海軍士官かいぐんしくわんしづかにすゝつて、二連銃にれんじう筒先つゝさき猛狒ゴリラ心臟しんぞうねらふよとえしが、たちまきこゆる一發いつぱつ銃聲じうせい
あるひは今かべつてる最中さいちうだつたりする。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)