“五十”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いそ22.2%
ごとう22.2%
11.1%
いそぢ11.1%
ごじつ11.1%
ごじふ11.1%
ごとお11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あえかにも美しいひとたちが、五十いそ皺面しわおもてに仇な化粧をし、几帳の陰でひっそりと朽ちて行くのかと思うと、いかにもあわれである。力に及ぶことなら、不幸な境界からひきだしてやりたい。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
石切いしきりの仕事は今は自由労働である。好きなだけ働く。つまり採掘の本数で賃銀を受ける。標準は「五十ごとう」といって幅一尺、厚み五寸、長さ三尺である。これに準じ「四十よんとう」とか「六十ろくとう」とかいう。
野州の石屋根 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「百伝ふ」は枕詞で、ももへ至るという意で五十に懸け磐余いわれに懸けた。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
五十いそぢあまりの武士もののべ廿はたちあまりの同じ出立いでたちなる、六八日和にわはかばかりよかりしものを、明石より船もとめなば、この六九朝びらきに七〇牛窓うしまど七一とまりは追ふべき。
いや、五十ごじつ感、百感にもえる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
なんと、棕櫚しゆろのみところに、一人ひとりちひさい、めじりほゝ垂下たれさがつた、青膨あをぶくれの、土袋どぶつで、肥張でつぷり五十ごじふ恰好かつかうの、頤鬚あごひげはやした、をとこつてるぢやありませんか。なにものともれない。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五・十の日の五十ごとお稲荷の縁日ももっと盛んであったし、東明館・南明館と二つあった勧工場が、今のデパートの役廻りをして、家庭婦人の人出が今よりもかえって多かったように思われる。
神田界隈 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)