“五十路”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いそじ66.7%
いそぢ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一個の大器が、百戦百難の風雪をしのいで、年もようやく五十路いそじに入り、いよいよその風貌にも年輪としわの威を加えてきたものとみな頼もしく見ていたのである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この尼法師、年はもはや五十路いそじを越えているが、その容貌はつやつやしい。机に向って写すは経文かと見ると、そうではなく、平家物語の校合きょうごうをしているのであります。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鉄色縮緬てついろちりめん頭巾づきんえりに巻きたる五十路いそぢに近きいやしからぬ婦人を載せたるが、南のかたより芝飯倉通しばいいぐらとおりに来かかりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貧しかる我やとも、えは求め得ず、常こがれ果敢なみしもの、子らが爲め、五十路いそぢ近く、やうやうと手に入りにけり。月拂ひ二十ヶ月とよ。中古の獨逸製とよ、眼がしらのあつくなり來る。
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)