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東屋
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あずまや
ふりがな文庫
“
東屋
(
あずまや
)” の例文
源氏は
御簾
(
みす
)
ぎわに寄って
催馬楽
(
さいばら
)
の
東屋
(
あずまや
)
を歌っていると、「押し開いて来ませ」という所を同音で添えた。源氏は勝手の違う気がした。
源氏物語:07 紅葉賀
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
しん吉さんは先月からこの近辺をまわって居りまして、ここでも
東屋
(
あずまや
)
という茶屋旅籠屋の表二階で三晩ほど打ちました。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この世のものとも思えないような匂いを放つすいかずらが一杯にからんだ
東屋
(
あずまや
)
にいるような心地がしたことでしょう。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
どこへ行ったかと見回すと、はるか向こうの
東屋
(
あずまや
)
のベンチへ力なさそうにもたれたまま、こっちを見て笑っていた。
どんぐり
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
起伏する丘や、渓流が流れる岩の谷や、谷や、橋や、ひなびた
東屋
(
あずまや
)
等が建造され、そのいずれもが賞嘆に値した。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
▼ もっと見る
だから、当直に
叩
(
たた
)
き起された所長の
東屋
(
あずまや
)
氏とわたしは、異変と聞くやまるで空腹に飯でも
掻
(
か
)
ッこむような気持で、そそくさと
闇
(
やみ
)
の浜道を
汐巻岬
(
しおまきみさき
)
へ
駈
(
か
)
けつけたのだった。
灯台鬼
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
杣
(
そま
)
の入るべき
方
(
かた
)
とばかり、わずかに
荊棘
(
けいきょく
)
の露を払うて、ありのままにしつらいたる路を登り行けば、松と
楓樹
(
もみじ
)
の枝打ち交わしたる半腹に、見るから清らなる
東屋
(
あずまや
)
あり。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
麦藁屋根の
東屋
(
あずまや
)
と孤児院らしい建物を眺めているとき、さまざまの往来が心に湧きおこって、伸子はホテルのその室に、鏡つきでない仕事机さえあったらと思っている。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
するとその前の月にも
一昨日
(
おととい
)
持って来たとッて、
東屋
(
あずまや
)
の
都
(
みやこ
)
という人のを
新造衆
(
しんぞしゅう
)
が取りに来て
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
東屋
(
あずまや
)
以後は技巧も内容にともなって素晴らしいものになった。前篇の紫式部は小説作家として歌人としていみじき作者であって、後篇を書いた大弐の三位は偉大なる文学者だと私は思っている。
『新新訳源氏物語』あとがき
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
その所の真ん中に一間半四方ほどの
茅
(
かや
)
ぶきの
東屋
(
あずまや
)
を建て、この内に四、五尺四方、高さ三、四尺ばかりに土をもて築き上げ、その上へ碁盤をおき、盤の上に碁器を二つならべ、軒には
七五三
(
しめ
)
飾り
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
一足歩みては唄い、かくて
東屋
(
あずまや
)
の前に立ちぬ。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
東屋
(
あずまや
)
の
桷
(
たるき
)
、縁側の手摺、笊、花生け、雨樋から
撥釣瓶
(
はねつるべ
)
にいたる迄、いずれも竹で出来ている。家内ではある種の工作物を形づくり、台所ではある種の器具となる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
その小庭は誰のもので、どういうところなのかわからなかったが、大きく枝をはったプラタナスの樹の下に、緑色に塗った
東屋
(
あずまや
)
のようなものがあって、その屋根は麦藁ぶきだった。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それで、
東屋
(
あずまや
)
って人に会って来たんだがな。
動かぬ鯨群
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
この山間の渓流の横手には、苔むした不規則の石段があり、それを登って行くと頂上に鄙びた
東屋
(
あずまや
)
がある。ここ迄来た人は、思わず東屋に腰を下して、この人工的の丘からの景色に見とれる。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
東
常用漢字
小2
部首:⽊
8画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“東屋”で始まる語句
東屋風
東屋三郎