“楓樹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふうじゅ40.0%
かえで20.0%
かえでのき10.0%
かへで10.0%
もみじ10.0%
もみぢ10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「秋は鮮紅なお山の風情が得もいわれぬ美観でございますが、冬は、御霊廟みたまやの玉垣が神々しいばかりで、楓樹ふうじゅこずえには一葉もござりませぬ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
端書の面の五分の四くらいまで書くと、もう何も書く事がなくなったので、万年筆を握ったまま、しばらくぼんやり、縁側の手欄てすり越しに庭の楓樹かえでの梢を眺めていた。
小さな出来事 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
それでも飽き足らずに今度は垣の反対側の楓樹かえでのきまでも触手をのばしてわたりを付けた。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
自分は楓樹かへでの定規などを教室へ持つて来るには及ばぬのだがと、言ひ言ひしたものだ。
そまの入るべきかたとばかり、わずかに荊棘けいきょくの露を払うて、ありのままにしつらいたる路を登り行けば、松と楓樹もみじの枝打ち交わしたる半腹に、見るから清らなる東屋あずまやあり。
書記官 (新字新仮名) / 川上眉山(著)
平次は床柱の根——楓樹もみぢの良い木の底部の方が、ガクリと缺き取られたやうになり、新しい傷跡が白々となつて居るのに氣が付いたのです。