“あつま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アツマ
語句割合
58.2%
22.6%
3.4%
2.7%
2.7%
1.4%
0.7%
0.7%
厚播0.7%
吾妻0.7%
大勢集0.7%
密集0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
謂集0.7%
0.7%
集合0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その前夜には、二人の弟もその妻たちも妹もそろって大森の両親のもとにあつまった。そうして一同が私のために盛んにさかずきをあげてくれた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
それをお皿の上にさかさにして笠の裏を出して砂糖を少し振りかけておくと蠅がその匂いをぎつけて沢山あつまって来てそのつゆめます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
爾のしろしめすごとくわが夫に天地の正気せいきあつまるあり、その壮宏たる富嶽のごとく、そのかんばしきこと万朶まんだの桜のごとく、そのしゅうそのほう万国ともにたぐいし難し、我如何いかにしてこの夫を欺くべけんや
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
見よ、大勢の旅客の視線が悉く彼一人の左右に、あつまつて居るではないか。中には、彼の側近く寄つて来て彼の顔を覗いて行く無遠慮ものさへあるではないか。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
眞志屋文書を見るに及んで、わたくしは落胤問題と八百屋お七の事とがともに島、其岳父、其夫の三人の上にあつまきたるのに驚いた。わたくしは三人と云つた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
市場又は祭礼すべて人のあつまる所へいでゝ看物みせものにせしが、ある所にても見つるに大さいぬのごとくかたちは全く熊にして、白毛雪をあざむきしかも光沢つやありて天鵞織びらうどのごとくつめくれなゐ也。
殿下は知事の御案内で御仮屋へ召させられ、大佐の物申上ものもうしあぐる度に微笑ほほえみもらさせられるのでした。群集の視線はいずれも殿下にあつまる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
馬上から眺めると群集の視線は自己おのれ一人にあつまる、とばかりで、乾燥はしゃいだ高原の空気を呼吸するたびに、源の胸の鼓動は波打つようになりました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その店先には、きょう獲れた魚を盤台に盛り、往来へ向けて晴がましく列べてあるうえへ子供があつまっております。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ポプラの梢を越して、多那川の灌漑かんがい地帯の田や畑地が見え、左寄りに東京から相模へ往来する電車の線路が見え、橋の両岸に町になりかけの人家があつまっております。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
山間部に行くと五升き、一斗蒔きという地名がこの県にも多い。厚播あつまきも薄播きもあるのに気楽な話のようだが、これは尺度であって村ごとにちがっても、なお一定の面積を意味していたのである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
木曾の藪原やぶはら奈良井ならいくしの産地として名が聞えます。「於六櫛おろくぐし」といい、もとは吾妻あつま村が本場だったといいます。於六という女が作り始めた梳櫛すきぐしであります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
この時近処の人が大勢集あつまって来た。門内には王九媽と藍皮阿五のるい、門外には咸亨の番頭さんやら、赤鼻の老拱やらであった。
明日 (新字新仮名) / 魯迅(著)
わしら百姓は一つの赤旗の下、全農へ密集あつまる!
常に賓客ひんきやくをよろこび、ほとんど門にあつまる。いとまあるごとに書を読みかならずしも解するを求めず。よろこべどよろこびを歓びとせずうれへども憂ひを憂へとせず……
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大雪山は北海道の中央に磅礴ほうはくして、七、八里四方の地盤を占め頂上の偉大なること、天下に比なく、群峰あつまって天を刺し、旭川の市街を圧す。
層雲峡より大雪山へ (新字新仮名) / 大町桂月(著)
なぜならば元来肋骨というものは背中の脊椎骨からわかれて斜めに前方の胸部に向い横出した狭長骨であってこれが一胸骨にあつまってはいれどその胸骨は肋骨では無く
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
此等諸外國人は何れも、世界の大國たる唐に仕官することを非常なる名譽と心得、唐の爲に各自の材能を盡くすといふ有樣故、自然世界の文化の精華は唐にあつまる譯である。
大師の入唐 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
物見高い群衆が刻々に謂集あつまってきて、狭い露路は倏忽たちまち黒山のようになった。私は人垣の間を潜って、ようやく前へ出た。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
そして、ふと紙のうえをきしる万年筆の音が、耳にふれて来ると、渾身からだじゅうの全神経がそれにあつまって来て、向返ってその方を見ない訳にいかなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
其他そのほか面白おもしろこと隨分ずゐぶんあつた。音樂會おんがくくわい翌々日よく/\じつことで、ふね多島海たたうかいおきにさしかゝつたときおほく船客せんきやく甲板かんぱん集合あつまつて種々いろ/\遊戯あそびふけつてつたが、其内そのうちたれかの發起はつき徒競走フートレースはじまつた。