榎南謙一
1913 〜 1945
著者としての作品一覧
天瓜粉(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
この兄が怖いか おぼつかなげな眼をおずおずさせて 母の胸にあとしざりする 久しぶりに会う兄は 柿いろの獄衣 その傍には 肉親の談話を書きとめている無表情の立会看守 世馴れた大人でさ …
読書目安時間:約2分
この兄が怖いか おぼつかなげな眼をおずおずさせて 母の胸にあとしざりする 久しぶりに会う兄は 柿いろの獄衣 その傍には 肉親の談話を書きとめている無表情の立会看守 世馴れた大人でさ …
農村から:――失業反対――(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
——よう戻って来た 娘の手を握りながら 両親は娘一人ふえたこれからの生活を考える 正月だと言って 餅を鱈腹食うて寝ては居れなかった 地主の塀からきこえる 景気のいい餅搗きの音に 餓 …
読書目安時間:約2分
——よう戻って来た 娘の手を握りながら 両親は娘一人ふえたこれからの生活を考える 正月だと言って 餅を鱈腹食うて寝ては居れなかった 地主の塀からきこえる 景気のいい餅搗きの音に 餓 …
無念女工(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
お早うさん 昨夜の夢は? 故郷の庭には柘榴の花が散ってるだろう けさもまた やめて帰ろと思うたが 帯はあせたし 汽車賃なしではどうにもならぬ 爪をもがれた蟹のように 冷たい石畳みを …
読書目安時間:約2分
お早うさん 昨夜の夢は? 故郷の庭には柘榴の花が散ってるだろう けさもまた やめて帰ろと思うたが 帯はあせたし 汽車賃なしではどうにもならぬ 爪をもがれた蟹のように 冷たい石畳みを …
夜雲の下(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
自動車が動揺すると 細引で縛られたまま 私たちの肩と肩とがごつんとあたる 争議は敗れた 送られる私たちは胸の苦汁をどうすることが出来たろう 「あちらでは吸えないんだぜ」 一本ずつも …
読書目安時間:約2分
自動車が動揺すると 細引で縛られたまま 私たちの肩と肩とがごつんとあたる 争議は敗れた 送られる私たちは胸の苦汁をどうすることが出来たろう 「あちらでは吸えないんだぜ」 一本ずつも …
“榎南謙一”と年代が近い著者
きょうが誕生日(1月19日)
エドガー・アラン・ポー(1809年)
小金井喜美子(1871年)
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
アリギエリ・ダンテ(没後700年)
ウラジミール・ガラクティオノヴィチ・コロレンコ(没後100年)
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン(没後100年)
池田輝方(没後100年)
岡崎雪声(没後100年)