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聚
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あつま
ふりがな文庫
“
聚
(
あつま
)” の例文
これ相州西鎌倉
長谷
(
はせ
)
村の
片辺
(
かたほとり
)
に壮麗なる西洋館の門前に、今朝より建てる広告標なり。時は
三伏
(
さんぷく
)
盛夏の候、
聚
(
あつま
)
り読む者
堵
(
と
)
のごとし。
金時計
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それをお皿の上に
逆
(
さか
)
さにして笠の裏を出して砂糖を少し振りかけておくと蠅がその匂いを
嗅
(
か
)
ぎつけて沢山
聚
(
あつま
)
って来てその
液
(
つゆ
)
を
嘗
(
な
)
めます。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
手拭
(
てぬぐひ
)
を
浸
(
ひた
)
す
度
(
たび
)
に
小
(
ちひ
)
さな
手水盥
(
てうずだらひ
)
の
水
(
みづ
)
に
月
(
つき
)
が
全
(
まつた
)
く
其
(
そ
)
の
影
(
かげ
)
を
失
(
うしな
)
つて
暫
(
しばら
)
くすると
手水盥
(
てうずだらひ
)
の
周圍
(
しうゐ
)
から
聚
(
あつま
)
る
樣
(
やう
)
に
段々
(
だん/\
)
と
月
(
つき
)
の
形
(
かたち
)
が
纏
(
まと
)
まつて
見
(
み
)
えて
來
(
く
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
水牛の背にも、昆蟲
聚
(
あつま
)
りて寸膚を止めねば、時々怒りて自らテヱエルの黄なる流に躍り入り、身を水底に
滾
(
まろが
)
してこれを
攘
(
はら
)
ひたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
〔譯〕
雲煙
(
うんえん
)
は
已
(
や
)
むことを得ざるに
聚
(
あつま
)
る。
風雨
(
ふうう
)
は已むことを得ざるに
洩
(
も
)
る。
雷霆
(
らいてい
)
は已むことを得ざるに
震
(
ふる
)
ふ。
斯
(
こゝ
)
に以て
至誠
(
しせい
)
の
作用
(
さよう
)
を
觀
(
み
)
る可し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
▼ もっと見る
この愛慕は一の目的物に
聚
(
あつま
)
りて、而して四散せり、四散せるもの
再
(
ま
)
た聚りて或一物の上に凝れり、彼の以後の生涯、是を証するを見るべし。
心機妙変を論ず
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
新時代の世界文明は東西の文化を融合して我が極東帝国の上に
聚
(
あつま
)
り、桜花
爛漫
(
らんまん
)
として
旭光
(
きよくくわう
)
に匂ふが如き
青史未載
(
せいしみさい
)
の黄金時代を作るべきを論じて
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それは、「木の枝を断ちたるあと、フルヘッヘンドをなし、庭を掃除すれば、その塵土
聚
(
あつま
)
りて、フルヘッヘンドをなす」
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
大凡
(
おおよそ
)
物はその好む所に
聚
(
あつま
)
る、彼の
艱難
(
かんなん
)
の如きも、また
焉
(
いずく
)
んぞ彼が自ら好んでこれを致したるに非ざる
莫
(
な
)
きを知らんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
富山唯継の今宵ここに
来
(
きた
)
りしは、年賀にあらず、
骨牌遊
(
かるたあそび
)
にあらず、娘の多く
聚
(
あつま
)
れるを機として、
嫁選
(
よめえらみ
)
せんとてなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その尿
聚
(
あつま
)
って末ついに川をなし流れ絶えず、英独フランドル諸国人その水を汲み去り最優等の
麦酒
(
ビール
)
を作るを、妻どもこれは小便を飲む理屈だとて嫌うとある。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
長造が、新聞紙をバリバリあける
手許
(
てもと
)
に、一座の
瞳
(
ひとみ
)
は
聚
(
あつま
)
った。
二重三重
(
ふたえみえ
)
の包み紙の下から、やっと引出されたのは、ゴムと
金具
(
かなぐ
)
とで出来たお
面
(
めん
)
のようなものだった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかしこの思想は腐った肉に
聚
(
あつま
)
る蠅のごとくに払えど払えど去らなかったのである。このとき私の頭のなかにショウペンハウエルの意志説が影のごとくさしてきた。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
大異はその市中を通って東門にある自分の家へ帰ったが、撥雲の角、哨風の嘴、朱華の髪、碧光の睛、どうしても人間でないので、市中の者が
聚
(
あつま
)
ってきたが、近くへは寄らなかった。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
されどわれは早稻田文學中に
聚
(
あつま
)
りたる衆美を見ざらむとして目を
掩
(
おほ
)
ふものにあらず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
年上の子供は船尾に
聚
(
あつま
)
っていた。母親は送って来て「気をつけておいでよ」と言った時には、もう船は出ていた。橋石にぶつかって二三尺
退
(
しりぞ
)
いたが、すぐまた前に進んで橋を通り抜けた。
村芝居
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
なし是より三人
連
(
づれ
)
にて丸龜城下なる後藤半四郎の方へと
到
(
いた
)
りけり又後藤方にては此日は
丁度
(
ちやうど
)
稽古日
(
けいこび
)
にて
多
(
おほく
)
の
門弟
(
もんてい
)
聚
(
あつま
)
り
竹刀
(
しなひ
)
の
音
(
おと
)
懸聲
(
かけごゑ
)
等
喧
(
かま
)
びしく今
稽古
(
けいこ
)
眞最中
(
まつさいちう
)
なる所へ三人は
玄關
(
げんくわん
)
に
懸
(
かゝ
)
り
案内
(
あんない
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
鴿
(
はと
)
になって
夫
(
それ
)
から星になったといわれる七人娘のプレヤディース、金牛角上のアルデバラン、五星井に
聚
(
あつま
)
って漢の高祖が天下を取って以来縁起の好い双子座のカストルとポラックスは勿論
奥秩父の山旅日記
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
犬烏
聚
(
あつま
)
り
噉
(
は
)
む。天皇此の
泣
(
いざ
)
ち
吟
(
によ
)
ぶ声を聞きて、心に
悲傷
(
いたみ
)
有
(
ま
)
す。群卿に
詔
(
みことのり
)
して曰く、それ生くるときに
愛
(
めぐ
)
みし所を以て
亡者
(
なきひと
)
に
殉
(
したが
)
はしむ。これ甚だ
傷
(
いたきわざ
)
なり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
「空より水の方が奇麗よ」と注意した糸子の声に連れて、残る三人の眼はことごとく水と橋とに
聚
(
あつま
)
った。一間ごとに高く石欄干を照らす電光が、遠きこちらからは、行儀よく一列に
空
(
くう
)
に懸って見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
其
(
そ
)
の
踊
(
をどり
)
の
周圍
(
しうゐ
)
には
漸
(
やうや
)
く
村落
(
むら
)
の
見物
(
けんぶつ
)
が
聚
(
あつま
)
つた。
混雜
(
こんざつ
)
して
群集
(
ぐんしふ
)
と
少
(
すこ
)
し
離
(
はな
)
れて
村落
(
むら
)
の
俄商人
(
にはかあきんど
)
が
筵
(
むしろ
)
を
敷
(
し
)
いて
駄菓子
(
だぐわし
)
や
梨
(
なし
)
や
甜瓜
(
まくはうり
)
や
西瓜
(
すゐくわ
)
を
並
(
なら
)
べて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
解
(
げ
)
せ申した。
解
(
げ
)
せ申した。方々、かようでござる。木の枝を断ち申したるあと、癒え申せば
堆
(
たか
)
くなるでござろう。塵土
聚
(
あつま
)
れば、これも
堆
(
たか
)
くなるでござろう。
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
自ら此老先生の一身に
聚
(
あつま
)
つて、其痩せて千年の鶴の如き老躯は、
宛然
(
さながら
)
これ生きた教員の儀表となつて居る。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
其
(
そ
)
の
父
(
ちゝ
)
、
此
(
こ
)
の
無足婦人
(
むそくふじん
)
を
膝行軌
(
ゐざりぐるま
)
に
乘
(
の
)
せ、
自
(
みづか
)
ら
推
(
お
)
しめぐらして
京都
(
けいと
)
の
南
(
みんなみ
)
の
方
(
かた
)
より
長安
(
ちやうあん
)
の
都
(
みやこ
)
に
來
(
きた
)
り、
市
(
いち
)
の
中
(
なか
)
にて、
何
(
ど
)
うぞやを
遣
(
や
)
る。
聚
(
あつま
)
り
見
(
み
)
るもの、
日
(
ひ
)
に
數千人
(
すうせんにん
)
を
下
(
くだ
)
らず。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
〔評〕十年の
難
(
なん
)
、賊の
精鋭
(
せいえい
)
熊本城下に
聚
(
あつま
)
る。而て
援軍
(
えんぐん
)
未だ達せず。谷中將死を以て之を守り、少しも動かず。
賊勢
(
ぞくせい
)
遂に屈し、其兵を東する能はず。
昔者
(
むかし
)
加藤
嘉明
(
よしあき
)
言へるあり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
翌日家の者が
聚
(
あつま
)
って話していると、見あげるような大きな男が不意に空からおりてきて、手にしていた門の扉のような大きな刀を
揮
(
ふる
)
って斬りかかってきた。家の者はもう一人
逐
(
お
)
いつめられて斬られた。
胡氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
四箇
(
よつ
)
の
頭顱
(
かしら
)
はラムプの
周辺
(
めぐり
)
に
麩
(
ふ
)
に寄る池の
鯉
(
こひ
)
の如く
犇
(
ひし
)
と
聚
(
あつま
)
れり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
夫
(
それ
)
聖代
(
せいだい
)
には
麟鳳
(
りんほう
)
來儀
(
らいぎ
)
し
仁君
(
じんくん
)
の代には
賢臣
(
けんしん
)
聚
(
あつま
)
ると
理
(
うべ
)
なるかな我が
朝
(
てう
)
徳川
(
とくがは
)
八代將軍
有徳院殿
(
いうとくゐんでん
)
の御代に八賢士あり
土屋相摸守
(
つちやさがみのかみ
)
松平右近將監
(
まつだひらうこんしやうげん
)
加納遠江守
(
かなふとほたふみのかみ
)
小笠原若狹守
(
をがさはらわかさのかみ
)
水野山城守
(
みづのやましろのかみ
)
堀田相摸守
(
ほつたさがみのかみ
)
大岡越前守
(
おほをかゑちぜんのかみ
)
神尾若狹守
(
かんをわかさのかみ
)
是なり然るに其有徳院殿の御代
享保
(
きやうほ
)
二年大岡越前守町
奉行
(
ぶぎやう
)
と成始めて工夫の
捌
(
さば
)
きあり其原因を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それに
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
が
肩
(
かた
)
のあたりで
硬
(
こは
)
ばつたやうで
動
(
うご
)
かしやうによつてはきや/\と
疼痛
(
いたみ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
彼
(
かれ
)
は
病氣
(
びやうき
)
が
其處
(
そこ
)
に
聚
(
あつま
)
つたのではないかと
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
話がバタリと止んで、視線が期せずして其方に
聚
(
あつま
)
る。ヌッと許り鬚面が入つて來た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
楚歌
(
そか
)
一身に
聚
(
あつま
)
りて集合せる腕力の次第に迫るにも関わらず
眉宇
(
びう
)
一点の懸念なく、いと晴々しき
面色
(
おももち
)
にて、渠は春昼
寂
(
せき
)
たる時、
無聊
(
むりょう
)
に堪えざるもののごとく、片膝を片膝にその片膝を、また片膝に
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
不思議や黄雲
遽然
(
にわかに
)
蒸して眼前に
聚
(
あつま
)
りぬ、主従之に打乗り
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
未だ知らず
何
(
いず
)
れの日にか更に
相
(
あい
)
聚
(
あつま
)
らん
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
漸くで二房三房とつた。豆の花と同じ形のが
聚
(
あつま
)
つてゐるのである。少し隔つてから振り返つて見ると滴る樣な新緑の間にほつほつと黄色い房のあるのは際立つて鮮かであつた。
炭焼のむすめ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
話がバタリと止んで、視線が期せずして其方に
聚
(
あつま
)
る。ヌツと許り髭面が入つて来た。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
楚歌
(
そか
)
一身に
聚
(
あつま
)
りて集合せる腕力の次第に迫るにもかかはらず
眉宇
(
びう
)
一点の
懸念
(
けねん
)
なく、いと
晴々
(
はればれ
)
しき
面色
(
おももち
)
にて、
渠
(
かれ
)
は
春昼
(
しゅんちゅう
)
寂
(
せき
)
たる時、
無聊
(
むりょう
)
に
堪
(
た
)
えざるものの如く、片膝を片膝にその片膝を、また片膝に
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
不思議
(
ふしぎ
)
や
黄雲
(
くわううん
)
遽然
(
にはかに
)
蒸
(
む
)
して
眼前
(
がんぜん
)
に
聚
(
あつま
)
りぬ、
主從
(
しゆうじう
)
之
(
これ
)
に
打
(
うち
)
鬼桃太郎
(旧字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
智惠子が其處へ入ると、有つ丈の眼が等しく其美しい顏に
聚
(
あつま
)
つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
智恵子が其処へ入ると、
有
(
ありつ
)
たけの眼が等しく其美しい顔に
聚
(
あつま
)
つた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
聚
漢検1級
部首:⽿
14画
“聚”を含む語句
聚落
聚楽
聚楽第
聚合
聚楽館
類聚名義抄
和名類聚抄
正定聚
積聚
類聚
聚議庁
倭名類聚抄
類聚国史
類聚日本紀
聚散
倭名類聚鈔
古葉略類聚抄
和名類聚鈔
類聚鈔
儒門空虚聚語
...