“面色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おももち30.8%
かおいろ25.6%
めんしょく24.4%
めんしよく5.1%
いろ3.8%
おもゝち2.6%
かおつき2.6%
つらつき2.6%
かほいろ1.3%
けしき1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
妻は尋常ひとなみより小きに、夫はすぐれたる大兵だいひよう肥満にて、彼の常に心遣こころづかひありげの面色おももちなるに引替へて、生きながら布袋ほていを見る如き福相したり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
下島は面色かおいろが変った。「そうか。返れと云うなら返る。」こう言い放って立ちしなに、下島は自分の前に据えてあった膳を蹴返けかえした。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
気丈な母ですから、懐剣を抜いてあふおちる血をぬぐって、ホッ/\とつく息も絶え/″\になり、面色めんしょく土気色に変じ、息を絶つばかり
獨りごちつゝ首傾けて暫し思案のさまなりしが、忽ち眉揚まゆあがまなこするどく『さては』とばかり、面色めんしよく見る/\變りて握り詰めし拳ぶる/\と震ひぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ここでの別荘の怪談を残らず打明うちあけると、主人あるじもおどろいて面色いろを変えて、霎時しばしことばもなかったが、やがて大息ついて
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ひかけて、左右さいうる、とほりくさばかりではく、だまつて打傾うちかたむいて老爺ぢゞいた。それを、……雪枝ゆきえたしか面色おもゝちであつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
或は佳作以上で、傑作かも知れん。私は不断紛々たる世間の批評以外に超然としている面色かおつきをしていて、実は非難けなされると、非常に腹が立って、少しでもめられると、非常に嬉しかったのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
叱られぬだけに塞いで、樹下石上の身の構え、電燈の花見る面色つらつき、九分九厘に飲酒おみつたり
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
殺したる事は存ぜねども去年霜月しもつき十七日博奕よりおそく歸りし時如何なる故か面色かほいろからず衣類に血が付居つきをりし故樣子を尋ね候に途中とちうにて喧嘩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
加ゆると雖も勿々なか/\用ひる面色けしきもなく言ば言程猶々なほ/\つのりて多分の金子をつかすてるにより忠兵衞も持餘せし故國元くにもとへ歸りて母親へ右の段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)