“けしき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気色49.2%
景色43.7%
氣色3.7%
光景1.7%
風景0.3%
面色0.2%
仮色0.2%
形容0.2%
春色0.2%
景況0.2%
景状0.2%
物色0.2%
頗色0.2%
風色0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
常に積極的な信玄がなおうごく気色けしきを示さず、いつも消極的な献言をする山本道鬼が、口をひらくと、明快にこうすすめたのである。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おお、洋傘直し、洋傘直し、なぜその石をそんなにの近くまでって行ってじっとながめているのだ。石に景色けしきいてあるのか。
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「どうでも好くはありません、先生は私達に思想上の問題は無用だとおつしやるんですか。」と、武井は氣色けしきばんで、鋭く迫つた。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
それは、田代の、いまのようにまだ役者にならない時分、聖天町しょうでんちょうの油屋の次男坊だったころ毎日のようにながめた光景けしきだった。
春泥 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
かゝるやさしき振舞ふるまひさまたぐるは、こゝろなきわざおもつたから、わたくしわざ其處そこへはかず、すこはなれてたゞ一人ひとり安樂倚子アームチエヤーうへよこたへて、四方よも風景けしき見渡みわたすと、今宵こよひつきあきらかなれば
加ゆると雖も勿々なか/\用ひる面色けしきもなく言ば言程猶々なほ/\つのりて多分の金子をつかすてるにより忠兵衞も持餘せし故國元くにもとへ歸りて母親へ右の段を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せぬ中に白状せよサアどうぢや云ぬかおのれ如何に強情なり共云せずには置ぬ不屆ふとゞきなる奴哉と白眼にらまるれ共久兵衞は少しも恐るゝ面色けしきなく假令たとへ文右衛門儀百兩の盜賊に御座なく候共私しは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
性無作しょうむさ仮色けしきが戒体でございます」
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
御助け下されはゝ看病かんびやういたさせ度候とおくしたる形容けしきもなく申立れば是を聞れ其方が申ところ不分明ふぶんみやうなり伊勢屋方にて五百りやうぬすみ又金屋へも入りて種々しゆ/\ぬすみ女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さても浮世は罪の世の中よな、汲むにあまれる哀れの我が心一つよりこそ、愁ひの眉を笑みにかへて和風こゝに通ふの春色けしきをも見らるべけれど、我が瀬川の家の爲に、與之助が將來ゆくすゑの爲に
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
差上さしあげ申すべく又當人久八に御用のせつは何時にても同道申べくと事を分て申せどもいさゝ聞入きゝいる景況けしきも無く五兵衞はかへつていきどほり然樣な勝手は相成ず直に勘定してゆかれよといかりけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ともとしたのしみゐるこそ樂みなれといと物堅き長三郎が回答いらへにべなく言放いひはなすに忠兵衞今は詮方せんかたなく是ほど迄に勸めるに承引うけひく景状けしきあらざるは世に偏屈へんくつなる若旦那と霎時しばしあきれて居たりしが屹度きつとこゝろに思ひ附く事や有けんひざ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
世にはたいすこやかなるが為に心健かならざるもの多ければ、常に健やかなるものゝ十日二十日病床に臥すは、左まで恨むべき事にあらず、してこの秋の物色けしきに対して、命運を学ぶにこよなき便よすがあるをや。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
されども、われ些しも驚きたる頗色けしきをあらはさず。莞爾として笑み返しつ。如何にも驚き入つたる御眼力。多分お上より触れまはされし人相書を御覧ごらうじたるものなるべし。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
子供の時分みた風色けしきほど、山であれ河であれ、街であれ、やさしくつねに誰のまえにでも蘇生よみがえって来るものはない。
雷門以北 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)