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きしよく
これを
聞くと、
然もあらむ、と
言ふ
面色した
坊主の
気色やゝ
和らいで
威張りくさつたりする姿は、無性に
気色悪く感ぜられた。
見るに今夜
子の
刻に死する者が
斯健かに有べき樣もなし如何なれば
翁が斯樣の事を云しかと
不審するも
道理ぞかし然れば靱負は甚だ
氣色を
損じ居ける故主は昨日
貰ひし
金子にて
酒肴を
顏容さへ稍〻
窶れて、
起居も
懶きがごとく見ゆれども、人に向つて
氣色の
勝れざるを喞ちし事もなく、
偶〻病などなきやと問ふ人あれば、却つて意外の
面地して、常にも増して健かなりと答へけり。