“けはい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気勢48.5%
気配42.6%
気色4.8%
気息1.0%
気合1.0%
氣勢1.0%
光景0.3%
景色0.3%
氣配0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忍野郷しのぶのごうを出外れるともう釜無の岸であった。土手に腰かけて一吹いっぷくした。それから四辺あたりを見廻したが、人の居るらしい気勢けはいもなかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
太陽はぎらぎら輝きながら、むなしい速度で回転していた。その大空の何処かを、鋭く風を切って、飛行機が近づいて来る気配けはいがあった。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
窓からでも男を逃す工夫をしているのではあるまいかと、私は真っ暗な鍵穴に眼を付けて室内の気色けはいに耳を澄ませてみた。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)
糸七の気早く足へ掛けたバケツの水は、南瓜にしぶいて、ばちゃばちゃ鳴るのに、障子一重、そこのお京は、気息けはいもしない。はじめからの様子も変だし、消えたのではないか、と足首から背筋が冷い。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仕方がなく滝本が、庭をまはつて見ると、窓は閉つてゐたがカーテンに隙間があつたので、気合けはいを窺ふと、百合子は、ベツドに突ツ伏してゐた。床に膝を突いて——。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
直ぐにその塲からでも何方いづれかゞこの家を離れゆくと云ふ氣勢けはいをはつきりと見せ得る男であつた。そこには男が特にみのる一人に對して考へてゐる樣な愛なぞは微塵も挾まれなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
奥座敷へ入ッて聞いていると、やがてお鍋がお勢のそばまで来て、ちょいと立留ッた光景けはいで「お待遠うさま」という声が聞えた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
すなわちこれは夕暮に際して特に眼をひいた花の景色けはい、花の風情を愛でたものとみればよろしい。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
はちはそれにとまつてしばらをつと氣配けはいうかゞつてゐるらしかつたが、それが身動みうごきもしないのをると、死骸しがいはなれてすぐちかくの地面ぢべたりた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)