“気合”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣合
読み方割合
きあい39.3%
けわい21.4%
けはい10.7%
けあい7.1%
きあひ7.1%
きあ3.6%
けは3.6%
けはひ3.6%
そり3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
昔から、「鳥類を制するのは人間の気合きあいひとつにある。そして妻を制するのは、その夫の雄々しくしっかりした気性ひとつにある」
屋敷のなかは人の住む気合けわいも見えぬほどにしんとしている。門前を通る車の方がかえってにぎやかに聞える。細い杖の先がこちこち鳴る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
塔をめぐる音、壁にあたる音の次第に募ると思ううち、城の内にてにわかに人の騒ぐ気合けはいがする。それが漸々だんだん烈しくなる。
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一丈のいわおを、影の先から、水際の継目つぎめまで眺めて、継目から次第に水の上に出る。潤沢じゅんたく気合けあいから、皴皺しゅんしゅの模様を逐一ちくいち吟味ぎんみしてだんだんと登って行く。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それはもうお前の言ふのはもつともだけれど、お前と阿父おとつさんとはまる気合きあひが違ふのだから、万事考量かんがへが別々で、お前の言ふ事は阿父さんのはらには入らず、ね
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして、咲耶子を道のきるところまでいこんで、ここぞと、気合きあいをあわせて、二そうしょに彼女の胸板むないたいていった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
和やかな初夏の海辺には微風そよかぜ気合けはひも感ぜられなかつた。呑気な学生が四五人、砂浜に寝転んでとりとめもなく騒々しい雑談に花を咲かせてゐた。
まぼろし (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
気合けはひを知らしても悪いと思つて咳一つも堪へてゐたのだなどと云ひました。
ランプの便り (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ところで、鍛冶屋はこの老人とは日頃から気合そりがあはなかつたので、腕つ節の強いにも似ず、父親のゐる時に娘のところへ出かけるなどといふことは先づなかつた。