“一吹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとふき50.0%
いっぷく20.0%
いっすい20.0%
ひとふか10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒川は煙草を一吹ひとふきして其の煙の中から返事を促すらしく自分の顏を見詰める。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
忍野郷しのぶのごうを出外れるともう釜無の岸であった。土手に腰かけて一吹いっぷくした。それから四辺あたりを見廻したが、人の居るらしい気勢けはいもなかった。
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
常緑木の中でも、松や杉は青々とした葉の下に黄ばんだ古葉ふるは簇々むらむられて、自ら新にす可く一吹いっすいの風を待って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
待て/\、お行者ぎょうじゃ。灸と言へば、煙草たばこ一吹ひとふかし吹したい。ちょうど、あの岨道そばみちほたるほどのものが見える。猟師が出たな。火縄ひなわらしい。借りるぞよ。来い。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)