“いっぷく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一幅62.5%
一服20.8%
一吹8.3%
一吸4.2%
毒薬4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言うかと思うと、一幅いっぷくの書がどこからとも知れずに軒下へ舞い落ちた。それは筆をもって書いたもので、字画じかくも整然と読まれた。
昔と今とは違うが、今だって信州と名古屋とか、東京と北京ペキンとかの間でこの手で謀られたなら、慾気満〻よくけまんまんの者は一服いっぷく頂戴せぬとは限るまい。片鎧の金八はちょっとおもしろいはなしだ。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
文治郎の手にこれが這入るのは蟠龍軒の天運の尽きで、これが友之助の手に這入って、遂に小野庄左衞門のかたきが分るというお話、鳥渡ちょっと一吹いっぷく致しまして申し上げます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
謙作は女が金を持って往くのを見て煙草を出し、それにマッチの火をけて、一吸いっぷくしてから腰をあげた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鰒汁てっぽうとこいつだけは、命がけでもめられねえんだから、あの人のお酌でも頂き兼ねねえ。軍医の奥さんにお手のもので、毒薬いっぷくられちゃ大変だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)