“きみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キミ
語句割合
51.7%
気味16.7%
鬼魅10.4%
氣味5.1%
1.9%
1.4%
黄味1.4%
黄身1.4%
1.2%
主君0.7%
(他:35)8.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その主人稲垣清蔵いながきせいぞう鳥羽とば稲垣家の重臣で、きみいさめてむねさかい、のがれて商人となったのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
がしかしその男がこの時ばかりは「きみ実際恐怖おそろしかったよ」と顔色を変えて私にはなしたくらいだから、当人は余程凄かったものだろう
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
きみるや、夜寒よさむふすまうすければ、うらみふか後朝きぬ/″\も、そでつゝまばしのぶべし。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
黄色きいろなすきとおるようなはねは、気味きみわるいほど、つめたく、硫黄いおういろのようにえたのです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人がそういっているうちに、そのあやしい物体は気味きみのわるい音をたてて近づいてきたが、そのうちに、急にすうーッと空から落ちてきた。
ふしぎ国探検 (新字新仮名) / 海野十三(著)
これだけの、べつに目をうばうほどの品物も見あたらない部屋だったが、気味きみのわるいのは、この部屋の赤や黄をく照明と防音装置だった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたしはその車にいるのが鬼魅きみがわるいので、なんの事も思わず、その客にいておりたのです、その客は皆電車の前を横に切って往くのです。
雪の夜の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
女はもう何も云わなかった。船頭同志はがたがたと跫音あしおとをさしながら橋板を渡って往った。その二人の黒い影が鬼魅きみ悪く忰の眼に見えた。
参宮がえり (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そのうちでも最もはげしかったのは、函館市の東南になった大森浜であった。従ってここには、多くの哀話とともに鬼魅きみ悪い話が残っている。
焦土に残る怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこで、日の目が見えなくなると、誰でも氣味きみを惡るがつて、この門の近所きんじよへはあしぶみをしない事になつてしまつたのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
氣味きみわるいぐらゐにはいへのぬしおこされず、そのまゝ突臥つゝぷしてたけれども、さてあるべきにあらざれば
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
おほきな蝶々てふ/\だけが氣味きみわるくろはねをひろげて、枳殼からたちのまはりをんでました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
青黄紅白せいくわうこうはく正暈倒暈せいうんたううん淺深せんしんくれなゐたゞきみめいのまゝなり
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
また、「うち日さす宮道みやぢを人は満ちゆけど吾がおもきみはただ一人のみ」(巻十一・二三八二)という類似の歌もあるが、この方はもっと分かりよい。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いや、この家も以前には浮かれ女を数多召抱えて、ゆうべに源氏のきみを迎え、あしたに平氏の殿を送られたものじゃが、今ではただの旅人宿りょじんやど
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
九州を征服し、山陽山陰をき、正成、義貞に勝って、思うきみ御位みくらいかせ、身は大御所、大将軍とあがめられている栄位にある。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さまで朝廷をおもんぜられる楠木殿が、持明院統のきみには弓を引かれますのか。まぎれなく、持明院統の前帝も、皇統のおひと方なるに」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この持明院統じみょういんとうきみは、さきに尊氏へたいして、尊氏がうた宣旨せんじを降下し、錦の旗をも与えていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一体、こまに水がかかると少し色がはげますが、よくこの牌を見ると、はげたばかりでなく元は赤と青とであったものが、赤は黒くなり、青は黄味きみを帯びています。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
——なるほど、そんなものもそうに思って、ほぼその色も、黒の処へ黄味きみがかって、ヒヤリとしたものらしく考えた。
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「石州」と呼ばれている手漉紙は、強いこうぞから作られ、色は黄味きみを帯び極めて張りのある品であります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
伯母さんは鶏卵たまご黄身きみをまん中にして白身を四角や三角に焼くのが上手だ、駿河台へニコライ堂が建つとき連れてってくれたのもこの伯母さんだ。
鶏卵けいらんにたとえていえばちょうど黄身きみ白身しろみもまだ判然と分かれておらぬ程度である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
第五 玉子ソースのペラオ飯 は前にある白ソースの出来上った処を一旦いったん火からおろして玉子の黄身きみ二つを入れてよく掻き混ぜてまた弱火とろびへかけて三、四分間掻き廻したものです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
豐葦原ノ千五百秋ちいほあき瑞穗みづほノ國ハ、我ガ子孫うみのこきみタルベキくにナリ、いまし皇孫すめみまゆきしらセ。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
ガリレヤに、弟ピリポ、イツリヤとトラコニチスとに、リサニヤスはアビレナに分封わけもちきみたりし世、荒野あれののヨハネに御言葉みことばくだりし時の如し。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
ペトゥローがいまだ捕へようともせぬ暇に、疾くもイワンは敵将の頸に縄うち、きみの御前に引き立てけり。
「この老人の一大事なんど、耳にしようとは思わぬが、主君きみ御大事おんだいじと聞くからには打ちすて置く訳にも参るまい、していったいその大事とは?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いでや一對いつつゐ聟君撰むこぎみえらまゐらせて、今世こんせ主君きみにも未來みらい主君きみにも、忠節ちうせつのほどあらはしたし
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
誰人たれびと至信ししん誠實せいじつに、愛敬けいあいする主君きみ半身はんしんとなりて、生涯しやうがい保護者ほごしやとはなるべきにや
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
葡萄酒を一杯、鶏卵の卵黄きみを二つ、鶏肉の汁を一椀、粥を少量、それだけ敬助は食べた。出来るだけ多量に取るようにと看護婦は云ったが、嘔気がしてそれ以上は食せなかった。
蘇生 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
由って掘り試むるに、銀あって中に夥しく金をつつめり、その銀数片を夢判じにやると、銀より金が欲しいおぼし召しから、卵黄きみの方も少々戴きたいものだと言うたそうな。
けれどもその朝彼は、卵黄きみを二つすすっただけで、何も食べなかった。それから葡萄酒を二杯飲んだ。
蘇生 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「もっと長く話してみたら、必ずあのきみが抱いている情熱と智性でもお感じになったであろうに」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なるほど、それではあのきみが、世間を化かしている姿しかお見せなさるまい」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多情卿是傾城種 多情たじょうきみ傾城けいじょうしゅ
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「さうか。丁度よかった。この人について行ってれ。玉蜀黍きみの脱穀をしてるんだ。機械は八時半から動くからな。今からすぐ行くんだ。」農夫長は隣りで脚絆を巻いてゐる顔のまっ赤な農夫を指しました。
耕耘部の時計 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
(一月十日、玉蜀黍きみ脱穀)と赤シャツは手帳に書きました。
耕耘部の時計 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
雪ふかきまぐさのはたけ、 玉蜀黍きみ漂雪フキは奔りて、
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
すなはちこの者をさまたきみとなりてルッカをピサ人に見えざらしむる山の上に狼とその仔等を逐ふに似たりき 二八—三〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
いざゆけ、導者よ、きみよ、師よ、兩者ふたりに一の思ひあるのみ、我斯く彼にいひ、かれ歩めるとき 一三九—一四一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
異国は、天照大御神あまてらすおおみかみの御国にあらざるがゆえに、定まれるきみなくして、狭蝿さばえなす神ところを得て、あらぶるによりて、人心ひとごころあしく、ならはしみだりがはしくして、国をし取りつれば
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「これでこそ武士! 春日重蔵殿のご舎弟じゃ、天晴れ鐘巻自斎に勝る腕前にもならば、君公きみをはじめ、福知山藩全体の大きな誉れ、娘の千浪も名分が立つと申すもの……」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君公きみ謀計はかりごとにござりまする。粗略あろうとは存じられませぬ」
赤坂城の謀略 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
処女たちの女王きみのゐます、花飾りした神壇の前の大蝋燭のやうに、立ち列ぶわたくしのもろもろの想念が、星のやうに空色の天井に照り映えて、燃ゆる眼で飽かずおんみを凝視うちまもるをみそなはすでござりませう。
女王きみの御代 これよりほがらに
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わが女王きみの 御閨みねやぬちに
髪切虫 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
またで、硝子杯コツプ白雪しらゆきに、鷄卵たまご蛋黄きみかしたのを、甘露かんろそゝぐやうにまされました。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
みづへば、せい/″\こめ磨汁とぎしるでもくれさうなところを、白雪しらゆき蛋黄きみなさけ
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
またその手で、硝子杯コップの白雪に、鶏卵たまご蛋黄きみを溶かしたのを、甘露をそそぐように飲まされました。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一雪きみよ、聞け。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主上きみには、ご受禅じゅぜん(み位をうける)の後は、政務のひまにも、講書のつとめ、詩文の会など、ひたぶる御勉強のみと伺うが、余りな御精励もおからだが案ぜらるる。まれには、ちと、おすごしもよかろ」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仁者きみ、まさに説くべし。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
【プロヴェンツア】一二四六年、シヤルル・ダンジューがプロヴァンスのきみなるラモンド・ベリンギエーリの女ベアトリスを娶れるためこの地フランス王家に屬せり
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されども文三が死だ気になって諸事おるされてで持切ッているに、お政もスコだれの拍子抜けという光景きみで厭味の音締ねじめをするように成ッたから、まず好しと思う間もなく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
貞観のはじめ前越後守伴龍男の従者吉弥きみこの広野ひろのの、その主の犯罪を官に密告せる書生物部稲吉を殴殺せしがごときその一なり。
武士を夷ということの考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
顓頊せんぎょく道ならず、我がきみに抗し、我が后は自らこれに天罰を加えるために、郊で戦われたが、天は徳をたすけず、我が軍隊は敗走致しました……」
不周山 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「恋にやぶれ、恩寵おんちょうをうけた法皇きみにも別れ、わがゆく途は、出家一途いちずと思いきわめたのは、その時でおざった……」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はははは。おたがい、わが身の変りようは、さまでとも気づかぬものか。この兼好けんこうも、近ごろは人に、卜部兼好かと、昔名むかしなを問われたことなど、とんとない。……したが、お夫婦ふたりの姿をここに見、そぞろ後宇多の法皇きみが世におわせし頃もなつかしゅう思わるる。さても、変ったものよなあ」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きみよ、その双手を組むにさきだつて、その鶴のやうなるおん脚をば組みたまへ!
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
彼女かれの名は「しろき手」と名づけられ、うつくしき王侯きみたちをすべ治む
(新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
「頭巾を借りてかぶったから、矢野きみのだよ。ああ、何だか、急に、むずむずする。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「噴出さしちゃ不可いけないぜ。私は最初はなから、気にも留めていなかった、まったくだ。いまこう真剣となると、黙っちゃいられない。対手あいてがある、美芸青雲派の、矢野きみも知ってる名高い絵工えかきだ。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……といううちにも、糸こう糸的きみはひとりで目の覚めた顔をして澄ましているが、内で話した、外で逢ったという気振けぶりも見せない癖に、よく、そんな、……お京さんいい名だなあ、そのの駿河台の研学の科目なぞを知っているね。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「出直しだ、出直しだ。この上はただ、ひとえに上杉さんに頼むんだ。……と云っておれも若いものよ。あのを拝むとも言いたくないから、似合いだとか、頃合いだとか、そこは何とか、糸的きみの心づもりで、糸的きみの心からこの縁談を思いついたようによ、な、上杉さんに。」
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「やー貴公きみでしたか、暗いのにまあ、さあ、御上おあがりなさい」。
愛か (新字新仮名) / 李光洙(著)