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君
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きみ
ふりがな文庫
“
君
(
きみ
)” の例文
がしかしその男がこの時ばかりは「
君
(
きみ
)
実際
恐怖
(
おそろし
)
かったよ」と顔色を変えて私に
談
(
はな
)
したくらいだから、当人は余程凄かったものだろう
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
「ああ、お
父
(
とう
)
さんと
川
(
かわ
)
へいって
釣
(
つ
)
ってきたんだ。こんど、
君
(
きみ
)
もいっしょにゆかない?」と、いきいきとした
顔
(
かお
)
を
上
(
あ
)
げたのであります。
すいれんは咲いたが
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
おまけに散々な目に
遭
(
あ
)
わされて、最後には命までも落すようなことになった相手は、
侍従
(
じじゅう
)
の
君
(
きみ
)
、———世に
謂
(
い
)
う本院の侍従であった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
宜
(
よ
)
きことにして
金
(
かね
)
やらん
妾
(
せう
)
になれ
行々
(
ゆく/\
)
は
妻
(
つま
)
にもせんと
口惜
(
くちを
)
しき
事
(
こと
)
の
限
(
かぎ
)
り
聞
(
き
)
くにつけても
君
(
きみ
)
さまのことが
懷
(
なつ
)
かしく
或
(
あ
)
る
夜
(
よ
)
にまぎれて
國
(
くに
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
女御が自慢にし、ほめられてもおいでになる幼内親王方の美を遠くこえた源氏の
美貌
(
びぼう
)
を世間の人は言い現わすために
光
(
ひかる
)
の
君
(
きみ
)
と言った。
源氏物語:01 桐壺
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
▼ もっと見る
『いや
今日
(
こんにち
)
は、おゝ
君
(
きみ
)
は
今日
(
けふ
)
は
顏色
(
かほいろ
)
が
昨日
(
きのふ
)
よりも
又
(
また
)
ずツと
可
(
い
)
いですよ。まづ
結構
(
けつこう
)
だ。』と、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
挨拶
(
あいさつ
)
する。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「三千代さんの心機を一転して、
君
(
きみ
)
を
元
(
もと
)
よりも倍以上に愛させる様にして、其上僕を蛇蝎の様に
悪
(
にく
)
ませさへすれば幾分か
償
(
つぐなひ
)
にはなる」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「さればにて
候
(
さふらふ
)
、
別段
(
べつだん
)
是
(
これ
)
と
申
(
まを
)
して
君
(
きみ
)
に
勸
(
すゝ
)
め
奉
(
たてまつ
)
るほどのものも
候
(
さふら
)
はねど
不圖
(
ふと
)
思附
(
おもひつ
)
きたるは
飼鳥
(
かひどり
)
に
候
(
さふらふ
)
、
彼
(
あれ
)
を
遊
(
あそ
)
ばして
御覽候
(
ごらんさふら
)
へ」といふ。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君
(
きみ
)
ばかりでない、
僕
(
ぼく
)
の
朋友
(
ほういう
)
の
中
(
うち
)
、
何人
(
なんぴと
)
も
未
(
いま
)
だ
此名
(
このな
)
が
如何
(
いか
)
に
僕
(
ぼく
)
の
心
(
こゝろ
)
に
深
(
ふか
)
い、
優
(
やさ
)
しい、
穩
(
おだや
)
かな
響
(
ひゞき
)
を
傳
(
つた
)
へるかの
消息
(
せうそく
)
を
知
(
し
)
らないのである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
今
(
いま
)
敵國
(
てきこく
)
深
(
ふか
)
く
侵
(
をか
)
して、
邦内
(
はうない
)
騷動
(
さうどう
)
し、
士卒
(
しそつ
)
、
境
(
さかひ
)
に
(一七)
暴露
(
ばくろ
)
す。
君
(
きみ
)
寢
(
い
)
ねて
席
(
せき
)
を
安
(
やす
)
んぜず、
食
(
くら
)
うて
味
(
あぢはひ
)
を
甘
(
あま
)
しとせず。百
姓
(
せい
)
の
命
(
めい
)
皆
(
みな
)
君
(
きみ
)
に
懸
(
か
)
かる。
国訳史記列伝:04 司馬穰苴列伝第四
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
A
馬鹿
(
ばか
)
を
云
(
い
)
つちやいかん。
統計
(
とうけい
)
は
神聖
(
しんせい
)
だ。
勝手
(
かつて
)
に
算出
(
さんしゆつ
)
して
堪
(
たま
)
るもんか。それよりか
君
(
きみ
)
、
俺
(
おれ
)
の
今度
(
こんど
)
の
年賀状
(
ねんがじやう
)
の
趣向
(
しゆかう
)
を
見
(
み
)
せてやらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
かつてわたしは、紫式部が、いろいろな女性を書いて来た後に、
手習
(
てならい
)
の
君
(
きみ
)
——
浮舟
(
うきふね
)
を書いたことに、なんとなく心をひかれていた。
紫式部:――忙しき目覚めに
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
『はゝゝゝゝ。
君
(
きみ
)
はまだ
私
(
わたくし
)
の
妻子
(
さいし
)
を
御存
(
ごぞん
)
じなかつたのでしたね。これは
失敬
(
しつけい
)
々々。』と
急
(
いそが
)
はしく
呼鈴
(
よびりん
)
を
鳴
(
な
)
らして、
入
(
いり
)
來
(
きた
)
つた
小間使
(
こまづかひ
)
に
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
天
(
あま
)
の
浮橋
(
うきはし
)
の上にて、山の神千二百生れたまふ也。
此
(
この
)
山の御神の母御名を
一神
(
いちがみ
)
の
君
(
きみ
)
と申す。此神産をして、三日までうぶ腹を
温
(
あたた
)
めず。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「いつか
斎宮
(
いつきのみや
)
へおいでの折、ちょうど来あわせていたのでございました。
斎
(
いつき
)
の
君
(
きみ
)
とその母子とは、
冷泉家
(
れいぜいけ
)
の歌の同門だそうでして」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この二人は、「
黒
(
くろ
)
」よりもにやァ/\よりも、「
君
(
きみ
)
」よりも、だれよりも一ばん早くから、すゞ子のおあひてをしてゐるのです。
ぽつぽのお手帳
(新字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
幼児
(
をさなご
)
たちは
皆
(
みな
)
十字架
(
クルス
)
を
背負
(
しよ
)
つて、
主
(
しゆ
)
の
君
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
へ
奉
(
たてまつ
)
る。してみるとその
体
(
からだ
)
も
主
(
しゆ
)
の
御体
(
おんからだ
)
、あたしに
分
(
わ
)
けて
下
(
くだ
)
さらなかつたその
御体
(
おんからだ
)
だ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
「だがね、
君
(
きみ
)
が
僕達
(
ぼくたち
)
の
仲間
(
なかま
)
をお
嫁
(
よめ
)
にくれって
言
(
い
)
いさえしなけりゃ、まあ
君
(
きみ
)
の
顔
(
かお
)
つきくらいどんなだって、こっちは
構
(
かま
)
わないよ。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この時
根津
(
ねづ
)
に
茗荷屋
(
みょうがや
)
という
旅店
(
りょてん
)
があった。その主人
稲垣清蔵
(
いながきせいぞう
)
は
鳥羽
(
とば
)
稲垣家の重臣で、
君
(
きみ
)
を
諌
(
いさ
)
めて
旨
(
むね
)
に
忤
(
さか
)
い、
遁
(
のが
)
れて商人となったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
夫
(
それ
)
は
大変
(
たいへん
)
だ、
併
(
しか
)
し
君
(
きみ
)
はまだ一
命
(
めい
)
があるのが
幸福
(
しあはせ
)
だ、
大原伊丹君抔
(
おほはらいたみくんなど
)
は
可愛想
(
かあいそう
)
にモルヒネを
沢山
(
たくさん
)
飲
(
の
)
ませられたもんぢやから、
到頭
(
たうとう
)
死んで
了
(
しま
)
つた。
華族のお医者
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
曩
(
さき
)
の勞働者の唄ね、
君
(
きみ
)
は何う
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らないけれど、あれを聽いてゐて、僕は
身
(
み
)
につまされて何んだか
泣
(
な
)
きたくなるやうな氣がしたよ。」
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
級
(
しな
)
照る
片岡山
(
かたをかやま
)
に
飯
(
いひ
)
に
飢
(
ゑ
)
て
臥
(
こや
)
せる
彼
(
そ
)
の
旅人
(
たびと
)
あはれ
親無
(
おやなし
)
に
汝
(
なれ
)
生
(
な
)
りけめや
剌竹
(
さすたけ
)
の
君
(
きみ
)
はや
無
(
な
)
き
飯
(
いひ
)
に
飢
(
ゑ
)
て
臥
(
こや
)
せる
彼
(
そ
)
の
旅人
(
たびと
)
あはれ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
一
首
(
しゅ
)
の
歌
(
うた
)
が
自
(
おの
)
ずと
私
(
わたくし
)
の
口
(
くち
)
を
突
(
つ
)
いて
出
(
で
)
たのもその
時
(
とき
)
でございます。
真嶺
(
さね
)
刺
(
さ
)
し、
相摸
(
さがむ
)
の
小野
(
おの
)
に、
燃
(
も
)
ゆる
火
(
ひ
)
の、
火中
(
ほなか
)
に
立
(
た
)
ちて、
問
(
と
)
いし
君
(
きみ
)
はも……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
神田
(
かんだ
)
神保町辺
(
じんぼうちょうへん
)
のあるカッフェに、お
君
(
きみ
)
さんと云う女給仕がいる。年は十五とか十六とか云うが、見た所はもっと
大人
(
おとな
)
らしい。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
おぢさんは、みんなが
大
(
たい
)
へん
可愛
(
かあい
)
い。この
本
(
ほん
)
は
君
(
きみ
)
たちに
讀
(
よ
)
んでもらひ、
歌
(
うた
)
つてもらうために
書
(
か
)
いたのだ。
金持
(
かねもち
)
の
子供
(
こども
)
なんか
讀
(
よ
)
まなくたつていい。
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
重い、ほう、天びん
棒
(
ぼう
)
がひとりでに、
磁石
(
じしゃく
)
のように
君
(
きみ
)
の手へ
吸
(
す
)
い
着
(
つ
)
いて行った。
太陽
(
たいよう
)
マジックなんだほんとうに。うまい。
イーハトーボ農学校の春
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さう言へば、山田寺は、
役
(
え
)
ノ
君
(
きみ
)
「
小角
(
をづぬ
)
」が山林仏教を創める最初の
足代
(
あししろ
)
になつた処だと言ふ伝へが、吉野や、葛城の
修験
(
しゆげん
)
の間にも言はれてゐた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「『
君
(
きみ
)
辱
(
はずかし
)
めらるれば
臣
(
しん
)
死
(
し
)
す』ということさえある。臣が君より上席に坐れば、とりもなおさず臣が君を辱めることになる」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「未練の仰せなり、
君
(
きみ
)
のおん
諱
(
いみな
)
を
冒
(
おか
)
してふせぎ矢つかまつるあいだ、此処はいかにもして浜松へ退きたまえ、ごめん」
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
君
(
きみ
)
たちは、ただまっすぐに歩こうとばかりしてるからだめだ。自分のくせを知って、
練習
(
れんしゅう
)
しなくちゃいけないよ」
風ばか
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
君
(
きみ
)
の
遺族
(
いぞく
)
や
小穴君
(
をあなくん
)
などがそれを
求
(
もと
)
めるけれど、
君
(
きみ
)
の
本
(
ほん
)
を
飾
(
かざ
)
れるやうなことが
僕
(
ぼく
)
に
書
(
か
)
けるものか。でも
僕
(
ぼく
)
はこの
本
(
ほん
)
のためにたつた
一
(
ひと
)
つだけは
手柄
(
てがら
)
をしたよ。
「三つの宝」序に代へて
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
猫のお産の話を事細やかに説明して、「お産の
取上爺
(
とりあげじじい
)
となったのは弁慶と僕だけだろう。が、
卿
(
きょう
)
の
君
(
きみ
)
よりは猫の方がよっぽど
豪
(
えら
)
かった、」と
手柄顔
(
てがらがお
)
をした。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「兄さんは
矢張
(
やつぱり
)
叔母さんの
生家
(
さと
)
へ知らずに買物に行つたのよ。三度も。なんでもハイカラな娘が居たなんて——
必
(
きつ
)
とお
君
(
きみ
)
さん(叔母さんの
姪
(
めひ
)
)のことよ。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
此
(
この
)
一舞踏
(
ひとをどり
)
が
濟
(
す
)
んだなら、
姫
(
ひめ
)
の
居處
(
ゐどころ
)
に
目
(
め
)
を
着
(
つ
)
け、
此
(
この
)
賤
(
いや
)
しい
手
(
て
)
を、
彼
(
あ
)
の
君
(
きみ
)
の
玉手
(
ぎょくしゅ
)
に
觸
(
ふ
)
れ、せめてもの
男冥利
(
をとこみゃうり
)
にせう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「位置を動かしちゃいけないいけない。誰か直ぐ交番へ。いやお
君
(
きみ
)
ちゃん、君が行ってくれるのが一番いい」
撞球室の七人
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
『
君
(
きみ
)
ちやんや、
母
(
かあ
)
さんがするからもういゝかげんにしてお
置
(
お
)
き、
兄
(
にい
)
さんがはいれたさうだよ、よかつたねえ。』と、あとは
自分自身
(
じぶんじしん
)
にいふやうに
調子
(
てうし
)
を
落
(
おと
)
して
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
「そうかい。そいつは
初耳
(
はつみみ
)
だな。よしきた。その
件
(
けん
)
もなお
念入
(
ねんい
)
りに
洗
(
あら
)
つてみろ。それから
君
(
きみ
)
には、
金魚屋
(
きんぎょや
)
とパチンコ
屋
(
や
)
のことを
調
(
しら
)
べてきてもらいたいんだがね」
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「どうしたね。わたしにさからえば、
獅子
(
しし
)
だってこのとおりだ。
君
(
きみ
)
もいいかげんにおそれいるがいいよ。」
物のいわれ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
その翌朝、
頭
(
かん
)
の
君
(
きみ
)
は道綱のところへ使いの者に、風邪気味で役所へ出られそうもありませんから一寸お出がけにでもお立ち寄り下さい、とことづけて来させた。
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
以て明朝
君
(
きみ
)
には
御切腹
(
ごせつぷく
)
悴
(
せがれ
)
忠右衞門も自害致し
死出
(
しで
)
三途
(
さんづ
)
の
露拂
(
つゆはら
)
ひ
仕
(
つかま
)
つるとの事武士の妻が
御切腹
(
ごせつぷく
)
の事兼て
覺悟
(
かくご
)
には御座候へども君に
御別
(
おんわか
)
れ申其上
愛子
(
あいし
)
に
先立
(
さきだた
)
れ何を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
朝戸出
(
あさとで
)
の
君
(
きみ
)
が
足結
(
あゆひ
)
を
潤
(
ぬ
)
らす
露原
(
つゆはら
)
早
(
はや
)
く
起
(
お
)
き
出
(
い
)
でつつ
吾
(
われ
)
も
裳裾
(
もすそ
)
潤
(
ぬ
)
らさな 〔巻十一・二三五七〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
吾、醜しと見られし時、
吾
(
わが
)
胸
(
むね
)
のいたみて、さびしく泣きたることいかばかりぞや。
其
(
その
)
時
(
とき
)
君
(
きみ
)
独
(
ひと
)
り吾を憐みぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
大宮司の許へ来て盗人の詮議をしていた
助
(
すけ
)
の
君
(
きみ
)
文室広之
(
ぶんやのひろゆき
)
は、武士十人ばかりをやって豊雄を捕えさした。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
著者
(
ちよしや
)
はこのとき
彼
(
かれ
)
に
反問
(
はんもん
)
して、
君
(
きみ
)
はこの
町家
(
ちようか
)
を
平家建
(
ひらやだて
)
と
思
(
おも
)
つてゐるかといつてみたが、
該學生
(
がいがくせい
)
が
潰
(
つぶ
)
れ
方
(
かた
)
の
眞相
(
しんそう
)
を
了解
(
りようかい
)
したのは、
其状況
(
そのじようきよう
)
を
暫時
(
ざんじ
)
熟視
(
じゆくし
)
した
後
(
のち
)
のことであつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
お
君
(
きみ
)
の袖乞いことばを真似るのが
忌
(
いや
)
な者は、黙って門の外に立っているよりほかはなかった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
全體
(
ぜんたい
)
杉村君
(
すぎむらくん
)
、
君
(
きみ
)
も
掘
(
ほ
)
る
筈
(
はづ
)
ぢやアなかツたのか』と
水谷氏
(
みづたにし
)
は一
矢
(
し
)
報
(
むく
)
ゐると、
杉村氏
(
すぎむらし
)
は
楚人冠
(
そじんくわん
)
一
流
(
りう
)
の
警句
(
けいく
)
で
受
(
う
)
けて『
出
(
で
)
るなら
掘
(
ほ
)
るが、
出
(
で
)
ないのに
掘
(
ほ
)
つたつて
詰
(
つま
)
らないよ』と
來
(
く
)
る。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
八合目より
一旦
(
いったん
)
七合に引返したりといえり、二人は山頂の光景を見て、
如何
(
いか
)
に感じけん、予に向いて、
焉
(
いずく
)
んぞこれ
千島
(
ちしま
)
の
比
(
たぐ
)
いならんや、
君
(
きみ
)
は如何にして越年を遂げんとするか
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
おれが
君
(
きみ
)
たちを
探
(
さが
)
したやうに、あせりあせり
熱心
(
ねっしん
)
に
俺達
(
おれたち
)
に
手
(
て
)
を
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
したのを
知
(
し
)
ってゐる
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
「
君
(
きみ
)
、君。」新富座のまへで、やつと追ひついた。「話したいことがあるのだがねえ。」
火の鳥
(新字旧仮名)
/
太宰治
(著)
けれどもなお、一枚一枚と見てゆくうちに、お雪ちゃんを憎らしいと思う心が、いつか知らず絵本の中の主人公に溶け込んで、ついには今様源氏の
光
(
ひかる
)
の
君
(
きみ
)
が憎らしくなりました。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“君”の意味
《名詞》
(きみ)同輩又は目下の者に対する二人称。主に男性が会話において用いる。「あなた」よりぞんざいだが、「おまえ」より丁寧。
古典日本語
(出典:Wiktionary)
“君”の解説
君(きみ、クン)は、主に東アジアの漢字文化圏の王朝でみられた君主の称号(君主号)または皇族・王族、貴族(特に外戚・功臣)の称号。
(出典:Wikipedia)
君
常用漢字
小3
部首:⼝
7画
“君”を含む語句
細君
大君
諸君
主君
母君
遊君
某君
妻君
父君
妹君
夫君
聞得大君
内君
吾君
貴君
君達
女君
兄君
舅君
役君小角
...