きみ)” の例文
ガリレヤに、弟ピリポ、イツリヤとトラコニチスとに、リサニヤスはアビレナに分封わけもちきみたりし世、荒野あれののヨハネに御言葉みことばくだりし時の如し。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
わが国の昔にも、応神おうじん天皇が兄皇子の大鷦鷯おおささぎきみをさしおいて、末皇子の菟道うじきみを皇太子とお定めになりました。
ペトゥローがいまだ捕へようともせぬ暇に、疾くもイワンは敵将の頸に縄うち、きみの御前に引き立てけり。
姉の腹には山辺ノ王女みこが生まれ、妹は穂積ノきみを生んで、それぞれことし五つと三つになる。
鸚鵡:『白鳳』第二部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
経を考ふるに云はく、し国土に講宣かうせん読誦どくじゆ恭敬くぎやう供養くやうして此の経を流通るつうせるきみ有らば、我等が四王常に来りて擁護ゆごし、一切の灾障さいさうみな消殄せうでんせしめむ。憂愁うしう疫疾やくしつまた除きいやさしめむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
豐葦原ノ千五百秋ちいほあき瑞穗みづほノ國ハ、我ガ子孫うみのこきみタルベキくにナリ、いまし皇孫すめみまゆきしらセ。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
吾がために教をのこせとあるに、叔座いふ。一三一商鞅しやうあう年少しといへども一三二奇才きさいあり。きみし此の人を用ゐ給はずば、これを殺しても一三三さかひを出すことなかれ。
本朝に儒教をたふとみてもは王道わうだうたすけとするは、菟道うぢきみ百済くだら七六王仁わにを召して学ばせ給ふをはじめなれば、此の兄弟はらからきみ心ぞ、やが漢土もろこしひじりの御心ともいふべし。