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氣味
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きみ
考へて
見りやあ
生身をぐつ/\
煮着けたのだ、
尾頭のあるものの
死骸だと
思ふと、
氣味が
惡くツて
食べられねえツて、
左樣いふんだ。
アンドレイ、エヒミチは
奈何にも
情無いと
云ふやうな
聲をして。『
奈何して
君、
那樣に
可い
氣味だと
云ふやうな
笑樣をされるのです。 ...
いろ/\な
可愛らしい
蝶々も
澤山ある
中で、あの
大きな
黒い
蝶々ばかりは
氣味の
惡いものです。あれは
毛蟲の
蝶々だと
言ひます。
そこで、日の目が見えなくなると、誰でも
氣味を惡るがつて、この門の
近所へは
足ぶみをしない事になつてしまつたのである。
そして
依然として『
御返事を
待つて
居ります』とある。
男は
少々氣味が
惡くなつた。とう/\
又葉書が十二
枚たまつた。
兎に
角氣味の
惡い
事だと
思つて
居る
内に、
怪の
船はだん/\と
速力を
増して、
我弦月丸の
左方を
掠めるやうに
※去る
時
乃で
女王樣は
眼鏡をかけ、
氣味の
惡い
程帽子屋を
凝視られました、
帽子屋は
眞ッ
蒼になつて
顫へてゐました。
凄い
氣味のわるい
聲を
聞いたら……おゝ、
早まって
覺めた
時分に、
其樣な
怖しい、
畏いものに
取卷かれたら
うす
氣味わるやにたにたの
笑ひ
顏、
坂本へ
出ては
用心し
給へ
千住がへりの
青物車にお
足元あぶなし、三
島樣の
角までは
氣違ひ
街道、
御顏のしまり
何れも
緩るみて
而もこれは
婦の
方から
種々の
問題を
持出して
居るやうだそして
多少か
煩いといふ
氣味で
男はそれに
説明を
與へて
居たが
隨分丁寧な
者で
決して『ハア』『そう』の
比ではない。
大きい
石室は
奧行きが
十間近くもあり、
室内は
眞暗ですから
大そう
氣味の
惡いものでありますが、
蝋燭を
點したり、
懷中電燈を
携へて
行きますと、
内部の
模樣がよくわかります。
「また始めやがツた。」と俊男は
眉の間に
幾筋となく
皺を寄せて
舌打する。
切に
燥々して來た
氣味で、奧の方を見て眼を
爛つかせたが、それでも
耐えて、體を
斜に兩足をブラり
椽の板に落してゐた。
利發の藤重なれば早くも
怪しと
推し其上
今宵夜更て
遊びに來るべしと約束されしも
氣味惡ければ家主に頼み其身は室町なる心安き者の方へ
暫く行て居る程に
留守は
當分明家の積りにして若吾助が尋ね來らば
斯樣々々に云
拵へて給るべしと頼み置けるにぞ右の如く家主より
返答せしなり此藤重と云は
前に
姑へ孝を
「
否、
可厭な
風が
吹いたんです……そして、
其の
晩、
可恐い、
氣味の
惡い
坊さんに、
忌々しい
鉦を
叩かれましたから……」
『
何故だと。』と、イワン、デミトリチは
嚇すやうな
氣味で、
院長の
方に
近寄り、
顫ふ
手に
病院服の
前を
合せながら。
「
兄さん、
少し
御話があつて
來たんですが」と
開き
直られたので、
宗助は
少し
驚ろいた
氣味で、
暑苦しい
洋服さへ
脱ぎ
更へずに、
小六の
話を
聞いた。
四隣は
氣味の
惡い
程物靜で、たゞ
車輪の
輾る
音と、
折ふし
寂寞とした
森林の
中から、
啄木鳥がコト/\と、
樹の
幹を
叩く
音とが
際立つて
聽ゆるのみであつたが、
鐵車は
進み
進んで
同藩の
澤木が
言葉のいとゑを
違へぬ
世は
來るとも、
此約束は
決して
違へぬ、
堪忍せよと
謝罪てお
出遊したる
時の
氣味のよさとては、
月頃の
痞へが
下りて、
胸のすくほと
嬉しう
思ひしに
大きな
蝶々だけが
氣味の
惡い
黒い
羽をひろげて、
枳殼のまはりを
飛んで
居ました。
「うん」と
答へた
丈であつたが、
其樣子は
素氣ないと
云ふよりも、
寧ろ
湯上りで、
精神が
弛緩した
氣味に
見えた。
眞晝間、
憑ものがしたか、
魅されてでも
居るやうで、そのね、
鬱ぎ
込んだ
男なんざ、
少々氣味が
惡かつた。
昨日の
小膽で
有つた
事も、
月さへも
氣味惡く
見た
事も、
以前には
思ひもしなかつた
感情や、
思想を
有の
儘に
吐露したこと、
即ち
哲學をしてゐる
丁斑魚の
不滿足の
事を
云ふた
事なども
おゝ
氣味が
惡るいと
首を
縮めながら、四五
軒先の
瓦斯燈の
下を
大黒傘肩にして
少しうつむいて
居るらしくとぼ/\と
歩む
信如の
後かげ、
何時までも、
何時までも、
何時までも、
見送るに
氣味が
惡くて
仲々手も
出せない
程である。
さらぬだに、
地震で
引傾いでゐる
借屋である。
颶風の
中心は
魔の
通るより
氣味が
惡い。——
胸を
引緊め、
袖を
合せて、ゐすくむと、や、や、
次第に
大風は
暴れせまる。
遠慮をされると
憎くゝ
成るほどに
何事も
默つて
年上の
言ふ
事は
聞く
物と
奧樣すつとお
羽織をぬぎて、
千葉の
背後より
打着せ
給ふに、
人肌のぬくみ
背に
氣味わるく、
麝香のかをり
滿身を
襲ひて
あれ、
釣下つた
電燈の
上の
所に、
變な
物がつて、
身悶えをするんですもの。
氣味の
惡さツたら!
寢間の
時計の十二を
打つまで
奧方はいかにするとも
睡る
事の
無くて
幾そ
度の
寢がへり
少しは
肝の
氣味にもなれば、
入らぬ
浮世のさま/″\より、
旦那樣が
去歳の
今頃は
紅葉舘にひたと
通ひつめて
「
否、
山犬ならまだしもでございます……そんな
人……
氣味の
惡い、
私、
何うしませう。」
……その
小さな
臺を
取りに、
砂で
氣味の
惡い
階子段を
上がると、……プンとにほつた。
焦げるやうなにほひである。ハツと
思ふと、かう
氣のせゐか、
立てこめた
中に
煙が
立つ。
構ひません、
毎日のやうに
參るんですから……まあ、
賑かな
所ですのに……
魔日つて
言ふんでせう、こんな
事があるものです。おや、
尚ほ
氣味が
惡い、……さあ、
參りませう。
堪りかねて、
民子は
密と
起き
直つたが、
世話になる
身の
遠慮深く、
氣味が
惡いぐらゐには
家のぬし
起されず、
其まゝ
突臥して
居たけれども、さてあるべきにあらざれば、
恐々行燈を
引提げて
……
家内が
牛込まで
用たしがあつて、
午些と
過ぎに
家を
出たが、
三時頃歸つて
來て、
一寸目を
圓くして、それは/\
氣味の
惡いほど
美しいものを
見ましたと
言つて、
驚いたやうに
次の
話をした。
變だと
思ふと、また
目の
前へ
手拭掛がふはりと
出て……
出ると、トントントンと
踏んで、ギクリ、シヤクリ、とやつて、スー、
何うにも
氣味の
惡さつたらないのです。——
一度見てみて
下さい。
可厭な
顏をして、
女たちは、
果は
氣味を
惡がつた。
「
氣味が
惡くて
手がつけられません。」