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毛蟲
しばらくすると、
此の
毛蟲が、
盡く
眞白な
蝶になつて、
枝にも、
葉にも、
再び
花片を
散らして
舞つて
亂るゝ。
幾千とも
數を
知らない。
いろ/\な
可愛らしい
蝶々も
澤山ある
中で、あの
大きな
黒い
蝶々ばかりは
氣味の
惡いものです。あれは
毛蟲の
蝶々だと
言ひます。
「
蛇嫌えだと、さうだ
大え
姿してあばさけたこといふなえ、
俺らなんざ
蛇でも
毛蟲でも
可怖えなんちやねえだから、かうえゝか、
斯うだぞ」といひながら
爺さんは
後向に
立つて