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氣色
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けしき
ふりがな文庫
“
氣色
(
けしき
)” の例文
新字:
気色
思ふにこの事必ずわが導者の意をえたりしなるべし、かれ
氣色
(
けしき
)
いとうるはしくたえず耳をわがのべし
眞
(
まこと
)
の言に傾けき 一二一—一二三
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「どうでも好くはありません、先生は私達に思想上の問題は無用だとおつしやるんですか。」と、武井は
氣色
(
けしき
)
ばんで、鋭く迫つた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『おろかものの
愚老
(
ぐらう
)
、
碌
(
ろく
)
な
智慧
(
ちゑ
)
も
持
(
も
)
ち
合
(
あ
)
はせませんが、どういふ
儀
(
ぎ
)
でござりませうか。』と、
玄竹
(
げんちく
)
はまた
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
氣色
(
けしき
)
を
窺
(
うかゞ
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
途中
(
とちゆう
)
に
事故
(
じこ
)
があつて、
着
(
ちやく
)
の
時間
(
じかん
)
が
珍
(
めづ
)
らしく三十
分程
(
ぷんほど
)
後
(
おく
)
れたのを、
宗助
(
そうすけ
)
の
過失
(
くわしつ
)
でゞもあるかの
樣
(
やう
)
に、
待草臥
(
まちくたび
)
れた
氣色
(
けしき
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いかに
冷泉
(
れいぜい
)
、
折重
(
をりかさ
)
ねし
薄樣
(
うすやう
)
は薄くとも、こめし哀れは此秋よりも深しと覺ゆるに、彼の君の
氣色
(
けしき
)
は如何なりしぞ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
車外
(
しやぐわい
)
の
猛獸
(
まうじう
)
は、
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
氣色
(
けしき
)
が
變
(
かわ
)
つて
來
(
き
)
た。
隙
(
すき
)
を
覗
(
うかゞ
)
つたる
水兵
(
すいへい
)
は、サツと
出口
(
でぐち
)
の
扉
(
とびら
)
を
排
(
ひら
)
くと、
途端
(
とたん
)
、
稻妻
(
いなづま
)
は、
猛然
(
まうぜん
)
身
(
み
)
を
跳
(
をど
)
らして、
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
へ
跳上
(
をどりあが
)
る。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
が、
小娘
(
こむすめ
)
は
私
(
わたくし
)
に
頓著
(
とんぢやく
)
する
氣色
(
けしき
)
も
見
(
み
)
えず、
窓
(
まど
)
から
外
(
そと
)
へ
首
(
くび
)
をのばして、
闇
(
やみ
)
を
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
に
銀杏返
(
いてふがへ
)
しの
鬢
(
びん
)
の
毛
(
け
)
を
戰
(
そよ
)
がせながら、ぢつと
汽車
(
きしや
)
の
進
(
すす
)
む
方向
(
はうかう
)
を
見
(
み
)
やつてゐる。
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雪
(
ゆき
)
はいよ/\
降
(
ふ
)
り
積
(
つも
)
るとも
歇
(
や
)
むべき
氣色
(
けしき
)
少
(
すこ
)
しも
見
(
み
)
えず
往來
(
ゆきゝ
)
は
到底
(
とても
)
なきことかと
落膽
(
らくたん
)
の
耳
(
みゝ
)
に
嬉
(
うれ
)
しや
足音
(
あしおと
)
辱
(
かたじけな
)
しと
顧
(
かへり
)
みれば
角燈
(
かくとう
)
の
光
(
ひか
)
り
雪
(
ゆき
)
に
映
(
えい
)
じ
巡囘
(
じゆんくわい
)
の
査公
(
さこう
)
怪
(
あや
)
しげに
目
(
め
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
得ず依て町奉行所へ御
同道
(
どうだう
)
申さんため我々兩人
參
(
まゐつ
)
て候なりと聞て伊賀亮は
態
(
わざ
)
と
氣色
(
けしき
)
を
變
(
か
)
へ夫は甚だ心得ざる口上なり各々には
如何樣
(
いかやう
)
の
身分
(
みぶん
)
にて恐れ多も天一坊樣を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
顏は卑しげなるものから、美しき髮長く肩に掛かり、その
目
(
ま
)
なざしには、常にいと憂はしげなる色見えて、をり/\は又手負ひたる獸などの如きおそろしき
氣色
(
けしき
)
現るゝことあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
幼君
(
えうくん
)
きつとならせ
給
(
たま
)
ひて、「
決
(
けつ
)
して
出
(
い
)
づることあひならず
一生
(
いつしやう
)
其中
(
そのなか
)
にて
暮
(
くら
)
すべし」と
面
(
おもて
)
を
正
(
たゞ
)
してのたまふ
氣色
(
けしき
)
、
戲
(
たはむれ
)
とも
思
(
おも
)
はれねば、
何某
(
なにがし
)
餘
(
あまり
)
のことに
言
(
ことば
)
も
出
(
い
)
でず、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
さへ
蒼
(
あを
)
ざめたり。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
忠之は城内
焚火
(
たきび
)
の
間
(
ま
)
で、使の
此
(
この
)
答を聞いてゐたが、思ひ定めたらしい
氣色
(
けしき
)
で、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
栗山が邸へ押し
懸
(
か
)
けて往くから、一同用意せいと云ひ棄てゝ奥に入つた。諸侍は家々へ武具を取りに遣る。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
平次の以て外の
氣色
(
けしき
)
に、ガラツ八はすつかり面喰らつて了ひました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
氣色
(
けしき
)
だち
神輿
(
みこし
)
練り
來
(
く
)
るゆふぐれは
茅蜩
(
かなかな
)
のこゑも墓地にとほれり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
提
(
さ
)
げなば定めて村人の驚き羨まんにと思ふ
氣色
(
けしき
)
なりまた
頓
(
やが
)
て我に近づき先ほど見上げましたが珍しい
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
彈
(
はぢ
)
きがなしでよく左樣に
開閉
(
ひろげすぼめ
)
が出來ます
嘸
(
さぞ
)
高い品でござりませうと是も亦片手に握りて見たき顏の色に我はヱヘンとして
斯樣
(
かやう
)
な物は東京に住む者が
流行
(
はやり
)
に逐はれて馬鹿の看板に致すなり地方の人は鰐皮の
革提
(
かばん
)
の代りに布袋を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
彼かれらを見、
氣色
(
けしき
)
晴
(
はれ
)
やかに答ふらく。彼等の
歩履
(
あゆみ
)
おそければいざ我等かしこに行かん、
好兒
(
よきこ
)
よ、望みをかたうせよ。 六四—六六
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
二人
(
ふたり
)
はそれで
默
(
だま
)
つた。たゞ
凝
(
じつ
)
と
外
(
そと
)
の
樣子
(
やうす
)
を
伺
(
うかゞ
)
つてゐた。けれども
世間
(
せけん
)
は
森
(
しん
)
と
靜
(
しづか
)
であつた。いつまで
耳
(
みゝ
)
を
峙
(
そばだ
)
てゝゐても、
再
(
ふたゝ
)
び
物
(
もの
)
の
落
(
お
)
ちて
來
(
く
)
る
氣色
(
けしき
)
はなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
愚老
(
ぐらう
)
にお
話
(
はなし
)
とは、どういふ
儀
(
ぎ
)
でござりますか。』と、
玄竹
(
げんちく
)
は
盃
(
さかづき
)
を
傍
(
かたはら
)
に
置
(
お
)
いて、
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
氣色
(
けしき
)
を
窺
(
うかゞ
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
輕
(
かろ
)
んずる
氣色
(
けしき
)
ありて甚だ
心底
(
しんてい
)
に
應
(
おう
)
ぜぬ者なりと申されける是は只今にも登城に及び
若
(
もし
)
直願
(
ぢきねがひ
)
の
取次等
(
とりつぎら
)
を申出るとも取次させまじと
態
(
わざ
)
と
斯
(
かく
)
は其意を
曉
(
さと
)
らせし言葉なるべし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此御中
(
このおんなか
)
に
何
(
なに
)
とてお
子
(
こ
)
の
無
(
な
)
き、
相添
(
あひそ
)
ひて十
年
(
ねん
)
餘
(
あま
)
り、
夢
(
ゆめ
)
にも
左樣
(
さやう
)
の
氣色
(
けしき
)
はなくて、
清水堂
(
きよみづだう
)
のお
木偶
(
でく
)
さま
幾度
(
いくたび
)
空
(
むな
)
しき
願
(
ねが
)
ひに
成
(
なり
)
けん、
旦那
(
だんな
)
さま
淋
(
さび
)
しき
餘
(
あま
)
りに
貰
(
もら
)
ひ
子
(
こ
)
せばやと
仰
(
おつ
)
しやるなれども
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その間かれは
頻
(
しきり
)
に俯して、地上のものを搜し
索
(
もと
)
むる如し。かれは又火を新なる蝋燭に點じて再びあたりをたづねたり。その
氣色
(
けしき
)
ただならず覺えければ、われも立ちあがりて泣き出しつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「
否
(
いや
)
、
追
(
おつ
)
てのことにせむ、
先
(
ま
)
づ
其
(
その
)
まゝに
差置
(
さしお
)
け、」とて
急
(
いそ
)
がせたまふ
氣色
(
けしき
)
無
(
な
)
し。
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
先の
快
(
こゝろよ
)
げなる
氣色
(
けしき
)
に引きかへて、
首
(
かうべ
)
を垂れて
物思
(
ものおも
)
ひの
體
(
てい
)
なりしが、やゝありて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
下人は、老婆の答が存外、
平凡
(
へいぼん
)
なのに失望した。さうして
失望
(
しつばう
)
すると同時に、又前の憎惡が、冷な
侮蔑
(
ぶべつ
)
と一しよに、心の中へはいつて來た。すると、その
氣色
(
けしき
)
が、先方へも通じたのであらう。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
イヤ
出
(
で
)
なくても、
人
(
ひと
)
の
弱點
(
じやくてん
)
に
乘
(
じやう
)
ずる
事
(
こと
)
の
早
(
はや
)
い
猛狒
(
ゴリラ
)
は、
忽
(
たちま
)
ち
彼方
(
かなた
)
の
崖
(
がけ
)
から
此方
(
こなた
)
の
鐵車
(
てつしや
)
の
屋根
(
やね
)
に
飛移
(
とびうつ
)
つて、
鐵檻
(
てつおり
)
の
間
(
あひだ
)
から
猿臂
(
えんび
)
を
延
(
のば
)
して、
吾等
(
われら
)
を
握
(
つか
)
み
出
(
だ
)
さんず
氣色
(
けしき
)
、
吾等
(
われら
)
は
一生懸命
(
いつせうけんめい
)
に
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したり
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
氣色
(
けしき
)
には匂のみなる夕霧の竹の端山にありてしづけさ
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
平次も少し
氣色
(
けしき
)
ばみます。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
わがこゝに
記
(
しる
)
すごとく、ベアトリーチェかく我に、かくていとなつかしき
氣色
(
けしき
)
にて、宇宙の最も生氣に富める處にむかへり 八五—八七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
上部
(
うはべ
)
から
見
(
み
)
ると、
夫婦
(
ふうふ
)
ともさう
物
(
もの
)
に
屈托
(
くつたく
)
する
氣色
(
けしき
)
はなかつた。それは
彼等
(
かれら
)
が
小六
(
ころく
)
の
事
(
こと
)
に
關
(
くわん
)
して
取
(
と
)
つた
態度
(
たいど
)
に
就
(
つい
)
て
見
(
み
)
ても
略
(
ほゞ
)
想像
(
さうざう
)
がつく。
流石
(
さすが
)
女丈
(
をんなだけ
)
に
御米
(
およね
)
は一二
度
(
ど
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
指
(
さし
)
て來りければ
道筋
(
みちすぢ
)
は
見物
(
けんぶつ
)
山
(
やま
)
をなして
夥
(
おびた
)
だしく既に御城代屋敷へ到り
乘物
(
のりもの
)
を
玄關
(
げんくわん
)
へ
横付
(
よこづけ
)
にせん
氣色
(
けしき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
姫はげに思ひも掛けぬ事かなと、我兩手を
把
(
と
)
りて我面を見るに、媼さへその
氣色
(
けしき
)
の常ならぬを
訝
(
いぶか
)
りて、椅子をいざらせ、我等が方をうちまもりぬ。姫は珍らしき再會の
顛末
(
もとすゑ
)
を媼に説き
聞
(
きか
)
せつ。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
氣色
(
けしき
)
のみ、
母鳥
(
おやどり
)
や
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そは我等壞れし橋にいたれる時、導者はわがさきに山の麓に見たりし如きうるはしき
氣色
(
けしき
)
にてわがかたにむかひたればなり 一九—二一
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
夫
(
それ
)
から二三日して、かの患者の
室
(
へや
)
にこそ/\
出入
(
ではい
)
りする人の
氣色
(
けしき
)
がしたが、
孰
(
いづ
)
れも
己
(
おの
)
れの活動する
立居
(
たちゐ
)
を病人に遠慮する樣に、ひそやかに振舞つてゐたと思つたら
変な音
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さわぐ
氣色
(
けしき
)
もなくこれに答へて、我等己を愛する者を罪せば、我等の禍ひを求むる者に何をなすべきやといふごとくなりき 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かくいひて橋をわたりてかなたにすゝめり、げにそのさわがぬ
氣色
(
けしき
)
をみすべきは彼が第六の岸にいたれる時なりき 六四—六六
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
凛々
(
りゝ
)
しく、
氣色
(
けしき
)
なほもおごそかに、あたかも語りつゝいと
熱
(
あつ
)
き
言
(
ことば
)
をばしばし
控
(
ひか
)
ふる人の如く、彼續いていひけるは 七〇—七二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
氣
部首:⽓
10画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“氣”で始まる語句
氣
氣味
氣遣
氣持
氣障
氣勢
氣質
氣分
氣高
氣紛