“歇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
94.9%
1.4%
あが0.7%
とど0.7%
とゞ0.7%
やす0.7%
やま0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
長い雨がようやくんで、東京への汽車がほぼ通ずるようになった頃、裸連は九人とも申し合せたように、どっと東京へ引き上げた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
キット思付いた、イヤ憶出おもいいだした事が有る。今初まッた事では無いが、先刻から酔醒めの気味で咽喉のどが渇く。水を飲めばかわきまるが、シカシ水は台所より外には無い。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
雨はやっとあがったようですが、空はまだ冷たい鉛のように重く見えたので、私は用心のため、じゃを肩にかついで、砲兵ほうへい工廠こうしょうの裏手の土塀どべいについて東へ坂をりました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と上人が下したまうつるの一声のお言葉に群雀のともがら鳴りをとどめて、振り上げしこぶしかくすにところなく、禅僧の問答にありやありやと云いかけしまま一喝されて腰のくだけたるごとき風情なるもあり
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と上人が下したまふ鶴の一声の御言葉に群雀のともがら鳴りをとゞめて、振り上げし拳をかくすにところなく、禅僧の問答に有りや有りやと云ひかけしまゝ一喝されて腰のくだけたる如き風情なるもあり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
即ち人間は安逸にして自己の生存を妨ぐるものに接せざれば、その働き、その活動力やすんで進歩することが出来ない。古代民族の勃興を見るに、いつとしてこの原理原則に従わざるものはなかった。
「うん」と道助はぶつきら棒な返事をして空を見た。雪がやまつて薄明かりのさしてる中を長い雲が走つてゆく。
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)