“とゞ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
31.4%
17.6%
15.7%
9.8%
7.4%
4.9%
3.9%
2.9%
2.0%
1.0%
停泊0.5%
宿0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なんゆゑともらねども正太しようたあきれてひすがりそでとゞめてはあやしがるに、美登利みどりかほのみ打赤うちあかめて、なんでもい、とこゑ理由わけあり。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
同伴者つれ親類しんるゐ義母おつかさんであつた。此人このひと途中とちゆう萬事ばんじ自分じぶん世話せわいて、病人びやうにんなる自分じぶんはらまでおくとゞけるやくもつたのである。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
更に見よ、新道の開通せられてより、更に旅客の此地を過ぐるものなく、當年繁盛はんせいの驛路、今は一戸の旅舍をもとゞめずなりたるを。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
とゞめて川面かはづらを見やれば誠に魂を冷す關山とてさかしき坂あり一人こゝを守れば萬夫も越えがたしと見ゆる絶所にて景色けいしよくもよし車夫いろ/\名所話しを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
夏痩は、たつくちといふ温泉の、叔母の家で、従姉いとこの処へわきから包ものがとゞいた。其上包になつて読売新聞が一枚。
いろ扱ひ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
小包こづゝみとゞいた時、一応て見て、面白くないから、戸棚へ入れて置いた。それを与次郎が、勿体ないから是非ろ/\と云ふ。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼やがてフラーテにむかひていひけるは、汝等とゞむるものなくば、請ふ右に口ありや我等に告げよ 一二七—一二九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わたくしは初め墓表を読んだ時、此句に躓いて歩をとゞめた。そして霧渓の嘱を受けて撰文した杉本が、何故に此句を添へたかを疑つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その第一期に於ては我も有りと有らゆる自由をち、行かんと欲するところに行き、とゞまらんと欲する所に住まりしなり。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
とゞまるといふにもあらで、たゆたふやうなるが、月星などの光あるに気圧けおさるゝかとも見ゆるさまなるを、たゞ、いざよふ雲と云はんもをかしからず、たゞよふ雲、たちまよふ雲
雲のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
左舷さげん紅燈こうとう海上法かいじやうはふまもり、停泊とゞまれるふね大鳥おほとり波上はじやうねむるにて、丁度ちやうどゆめにでもありさう景色けしき! わたくし此樣こん風景ふうけい今迄いまゝで幾回いくくわいともなくながめたが
太空そらは一片の雲も宿とゞめないが黒味渡ツて、廿四日の月は未だ上らず、霊あるが如き星のきらめきは、仰げば身もしまる程である。
里の今昔 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
と上人が下したまふ鶴の一声の御言葉に群雀のともがら鳴りをとゞめて、振り上げし拳をかくすにところなく、禅僧の問答に有りや有りやと云ひかけしまゝ一喝されて腰のくだけたる如き風情なるもあり
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
二更、三更にして猶且とゞめざるなり、往々にして五更に至る。時に洒然しやぜんたる一老婦人あり室に入り来り少年を叱して去らしむ。老人顧みて笑ふ。当時会話の光景蓋し斯の如し。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
風雨にはかに到り、迅雷忽ちとゞろく光景は心界の奇幻、之を見て直ちに繩墨の則を当て、是非の判別を下さんとするは、あに達士の為すところならんや。
新しき世界に古き精神をとゞめたる明治の初年にあたりては、彼の喝破せし此主義が如何に開化党に歓迎せられて守旧党に驚愕せられたるよ。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
○一孔とゞむる有るも、壊頽振はず。瓠子汎濫の敗に似たる有り。
囲碁雑考 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)