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届
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とゞ
ふりがな文庫
“
届
(
とゞ
)” の例文
旧字:
屆
と
親仁
(
おやぢ
)
が
喚
(
わめ
)
くと、
婦人
(
をんな
)
は
一寸
(
ちよいと
)
立
(
た
)
つて
白
(
しろ
)
い
爪
(
つま
)
さきをちよろちよろと
真黒
(
まツくろ
)
に
煤
(
すゝ
)
けた
太
(
ふと
)
い
柱
(
はしら
)
を
楯
(
たて
)
に
取
(
と
)
つて、
馬
(
うま
)
の
目
(
め
)
の
届
(
とゞ
)
かぬほどに
小隠
(
こがく
)
れた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小包
(
こづゝみ
)
が
届
(
とゞ
)
いた時、一応
着
(
き
)
て見て、面白くないから、戸棚へ入れて置いた。それを与次郎が、勿体ないから是非
着
(
き
)
ろ/\と云ふ。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
大病
(
たいびやう
)
でも自分で死ぬと
覚悟
(
かくご
)
をし、
医者
(
いしや
)
も
見放
(
みはな
)
した事も知つて
居
(
を
)
り、
御看病
(
ごかんびやう
)
は十分に
届
(
とゞ
)
き、自分も
最
(
も
)
う死ぬと
諦
(
あきら
)
めが
附
(
つ
)
いてしまつても、とろ/\と
病気
(
びやうき
)
労
(
づか
)
れで
寝附
(
ねつ
)
いた時に
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然
(
しか
)
るに
今月
(
こんげつ
)
の
初旬
(
はじめ
)
、
本國
(
ほんごく
)
から
届
(
とゞ
)
いた
郵便
(
ゆうびん
)
によると、
妻
(
つま
)
の
令兄
(
あに
)
なる
松島海軍大佐
(
まつしまかいぐんたいさ
)
は、
兼
(
かね
)
て
帝國軍艦高雄
(
ていこくぐんかんたかを
)
の
艦長
(
かんちやう
)
であつたが、
近頃
(
ちかごろ
)
病氣
(
びやうき
)
の
爲
(
た
)
めに
待命中
(
たいめいちゆう
)
の
由
(
よし
)
、
勿論
(
もちろん
)
危篤
(
きとく
)
といふ
程
(
ほど
)
の
病氣
(
びやうき
)
ではあるまいが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「あの手紙
届
(
とゞ
)
いて。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「代助はまだ
帰
(
かへ
)
るんぢやなからうな」と
父
(
ちゝ
)
が云つた。代助はみんなから
一足
(
ひとあし
)
後
(
おく
)
れて、
鴨居
(
かもゐ
)
の
上
(
うへ
)
に両手が
届
(
とゞ
)
く様な
伸
(
のび
)
を一つした。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
車
(
くるま
)
の
左右
(
さいう
)
に
手
(
て
)
の
届
(
とゞ
)
く、
数々
(
かず/\
)
の
瀧
(
たき
)
の
面
(
おもて
)
も、
裏見
(
うらみ
)
る
姿
(
すがた
)
も、
燈籠
(
とうろう
)
の
灯
(
ともし
)
に
見
(
み
)
て、
釣舟草
(
つりぶねさう
)
は
浮
(
う
)
いて
行
(
ゆ
)
く。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君
(
きみ
)
はあれから
奥州
(
あうしう
)
の
塩竈
(
しほがま
)
まで
行
(
い
)
つたか、
相変
(
あひかは
)
らず心に
懸
(
か
)
けられて
書面
(
しよめん
)
を
贈
(
おく
)
られて誠に
辱
(
かたじ
)
けない、
丁度
(
ちやうど
)
宴会
(
えんくわい
)
の
折
(
をり
)
君
(
きみ
)
の
書状
(
しよじやう
)
が
届
(
とゞ
)
いたから、
披
(
ひら
)
く
間
(
ま
)
遅
(
おそ
)
しと
開封
(
かいふう
)
して
読上
(
よみあ
)
げた所が、
皆
(
みんな
)
感服
(
かんぷく
)
をしたよ
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
贏
(
か
)
ち得た所は物
寂
(
さ
)
びてゐる。奈良の
大仏
(
だいぶつ
)
の
鐘
(
かね
)
を
撞
(
つ
)
いて、其
余波
(
なごり
)
の
響
(
ひゞき
)
が、東京にゐる自分の耳に
微
(
かす
)
かに
届
(
とゞ
)
いたと同じ事である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仰
(
あふ
)
いで
見
(
み
)
ると
松
(
まつ
)
の
樹
(
き
)
はもう
影
(
かげ
)
も
見
(
み
)
えない、十三
夜
(
や
)
の
月
(
つき
)
はずつと
低
(
ひく
)
うなつたが、
今
(
いま
)
下
(
お
)
りた
山
(
やま
)
の
頂
(
いただき
)
に
半
(
なか
)
ばかゝつて、
手
(
て
)
が
届
(
とゞ
)
きさうにあざやかだけれども、
高
(
たか
)
さは
凡
(
およ
)
そ
計
(
はか
)
り
知
(
し
)
られぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
中々
(
なか/\
)
届
(
とゞ
)
いたもので、
土間
(
どま
)
を
広
(
ひろ
)
く取つて、
卓子
(
テーブル
)
に白いテーブル
掛
(
かけ
)
が
懸
(
かゝ
)
つて、
椅子
(
いす
)
が
有
(
あ
)
りまして、
烟草盆
(
たばこぼん
)
が出て
居
(
を
)
り、
花瓶
(
くわびん
)
に花を
挿
(
さ
)
し
中々
(
なか/\
)
気取
(
きど
)
つたもので、
菓子台
(
くわしだい
)
にはゆで
玉子
(
たまご
)
に
何
(
なに
)
か菓子が
有
(
あ
)
ります
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
国
(
くに
)
から、
金
(
かね
)
が
届
(
とゞ
)
いたから、
取
(
と
)
りに
来
(
き
)
て呉れ玉へ。今
此所
(
こゝ
)
に持つてゐないから。それからまだ
外
(
ほか
)
に話す事もある」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
開
(
ひら
)
いたが、
飛
(
と
)
びはしない、で、ばさりと
諸翼
(
もろつばさ
)
搏
(
はう
)
つと
斉
(
ひと
)
しく、
俯向
(
うつむ
)
けに
頸
(
くび
)
を
伸
(
の
)
ばして、あの
長
(
なが
)
い
嘴
(
くちばし
)
が、
水
(
みづ
)
の
面
(
も
)
へ
衝
(
つ
)
と
届
(
とゞ
)
くや
否
(
いな
)
や、
小船
(
こぶね
)
がすら/\と
動
(
うご
)
きはじめて、
音
(
おと
)
もなく
漕
(
こ
)
いで
出
(
で
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
さ
)
うよ。梅「へえゝ
巧
(
うま
)
く
出来
(
でき
)
てゐますね。×「お
前
(
まへ
)
何
(
ど
)
うして
眼
(
め
)
が
明
(
あ
)
いたんだ。梅「へえ
実
(
じつ
)
は二十一
日
(
にち
)
断食
(
だんじき
)
をしました、一
心
(
しん
)
が
届
(
とゞ
)
いたものと見えます。×「ムヽウ、まゝ
此位
(
このくらゐ
)
な
目出度
(
めでた
)
い事はないぜ。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それから荷物を平岡の
宅
(
うち
)
へ
届
(
とゞ
)
けた上に、万事奇麗に片付く迄手伝をするんだと云はれた時は、えゝ承知しました、なに大丈夫ですと気軽に引き受けて出て行つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『あツ、』と
叫
(
さけ
)
んで、
背後
(
うしろ
)
から
飛蒐
(
とびかゝ
)
つたが、
最
(
も
)
う
一足
(
ひとあし
)
の
処
(
ところ
)
で
手
(
て
)
が
届
(
とゞ
)
きさうに
成
(
な
)
つても、
何
(
ど
)
うしても
尾
(
を
)
に
及
(
およ
)
ばぬ……
牛
(
うし
)
は
急
(
いそ
)
ぐともなく、
動
(
うご
)
かない
朧夜
(
おぼろよ
)
が
自然
(
おのづ
)
から
時
(
とき
)
の
移
(
うつ
)
るやうに
悠々
(
いう/\
)
とのさばり
行
(
ゆ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
好
(
よ
)
い菓子では
有
(
あ
)
りませんけれども、
萬事
(
ばんじ
)
届
(
とゞ
)
いて
居
(
を
)
ります。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
晩食
(
ばんめし
)
の
時
(
とき
)
、丸善から
小包
(
こづゝみ
)
が
届
(
とゞ
)
いた。
箸
(
はし
)
を
措
(
お
)
いて
開
(
あ
)
けて見ると、余程前に外国へ注文した二三の新刊書であつた。代助はそれを
腋
(
わき
)
の
下
(
した
)
に
抱
(
かゝ
)
へ
込
(
こ
)
んで、書斎へ帰つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
目
(
め
)
の
届
(
とゞ
)
く
限
(
かぎ
)
り
不残
(
のこらず
)
岩
(
いは
)
で、
次第
(
しだい
)
に
大
(
おほき
)
く
水
(
みづ
)
に
浸
(
ひた
)
つたのは
唯
(
ただ
)
小山
(
こやま
)
のやう。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
月
(
つき
)
が
破廂
(
やぶれひさし
)
から
影
(
かげ
)
を
落
(
おと
)
したやうに
届
(
とゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
届
常用漢字
小6
部首:⼫
8画
“届”を含む語句
届出
行届
不届
不行届
届書
附届
聞届
見届
不届者
御届
届済
不届至極
諸司不行届
願届
辞職届
監督不行届
盗難御届
理届
此段御届及候也
期届
...