“小船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぶね75.0%
をぶね10.0%
はしけ5.0%
サンパン5.0%
ボート5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成程なるほど、島を越した向う岸のはぎの根に、一人乗るほどの小船こぶねが見える。中洲なかずの島で、納涼すずみながら酒宴をする時、母屋おもやから料理を運ぶ通船かよいぶねである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
伊勢人の波の上漕ぐ小船をぶねにもうきめは刈らで乗らましものを
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
やがていかりを下ろしたとみえ、ゆたかに海上へ漂った。と小船はしけが無数に下ろされ、それが一斉に岸へ向かって、さながら矢のように漕ぎ寄せられた。と、ヒラヒラと人が下りた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
てう早く起きてふなばたつて居ると、数艘の小船サンパンに分乗して昨夜ゆうべ出掛けた下級船員の大部分が日本娼婦に見送られなが続続ぞくぞく帰つて来る。須臾しゆゆにして異様な莫斯綸もすりん友染と天草言葉とがわが船に満ちた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
まずかじは大丈夫使える。船底はかなりいたんではいるが、水のもれる心配はまずない。帆は完全といってもよい位に保存されている。小船ボート頑強がんきょうな奴が積んであり、難船の時の用意も出来ている。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)