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小船
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こぶね
ふりがな文庫
“
小船
(
こぶね
)” の例文
成程
(
なるほど
)
、島を越した向う岸の
萩
(
はぎ
)
の根に、一人乗るほどの
小船
(
こぶね
)
が見える。
中洲
(
なかず
)
の島で、
納涼
(
すずみ
)
ながら酒宴をする時、
母屋
(
おもや
)
から料理を運ぶ
通船
(
かよいぶね
)
である。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「よろしい、
大
(
おお
)
いにあばれてみましょう!」と、ただちに
受
(
う
)
け
合
(
あ
)
うと、もう、
高
(
たか
)
く
怒
(
いか
)
り
声
(
こえ
)
をたて、
白
(
しろ
)
い
帆
(
ほ
)
を
張
(
は
)
った
小船
(
こぶね
)
に
向
(
む
)
かってぶつかりました。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
苦
(
にが
)
い、
飮
(
の
)
みぐるしい
案内者
(
あんないじゃ
)
よ! やい、
命知
(
いのちし
)
らずの
舵手
(
かんどり
)
よ、
苦
(
くる
)
しい
海
(
うみ
)
に
病
(
や
)
み
疲
(
つか
)
れた
此
(
この
)
小船
(
こぶね
)
を、
速
(
はや
)
う
巖礁角
(
いはかど
)
へ
乘上
(
のりあ
)
げてくれ!……さ、
戀人
(
こひゞと
)
に!(と飮む)。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
といって、そのまま
小船
(
こぶね
)
にとび
乗
(
の
)
って、さぎの
飛
(
と
)
んで行った
方角
(
ほうがく
)
に
向
(
む
)
かってどこまでもこいで行きました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
彼
(
かれ
)
は
暫
(
しばら
)
く
又
(
また
)
凝然
(
ぢつ
)
として
上流
(
じやうりう
)
の
小船
(
こぶね
)
を
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た。
彼
(
かれ
)
は
氣
(
き
)
がついた
時
(
とき
)
土手
(
どて
)
を一
散
(
さん
)
に
北
(
きた
)
へ
急
(
いそ
)
いだ。
土手
(
どて
)
は
軈
(
やが
)
て
水田
(
すゐでん
)
に
添
(
そ
)
うてうね/\と
遠
(
とほ
)
く
走
(
はし
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
土手
(
どて
)
の
道幅
(
みちはゞ
)
が
狹
(
せま
)
くなつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
息絶えて、身の暖かなるうち、右の手にこの
文
(
ふみ
)
を握らせ給え。手も足も冷え尽したる後、ありとある美しき
衣
(
きぬ
)
にわれを着飾り給え。
隙間
(
すきま
)
なく黒き布しき詰めたる
小船
(
こぶね
)
の中にわれを載せ給え。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「それでは私がちゃんとよくしてさしあげましょう」と言いながら、大急ぎで、水あかが少しもはいらないように、かたく編んだ、かごの
小船
(
こぶね
)
をこしらえて、その中へ
火遠理命
(
ほおりのみこと
)
をお乗せ申しました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
上
(
かみ
)
にも
下
(
しも
)
にも、どこみても、
艀
(
はしけ
)
も
小船
(
こぶね
)
も出て居ない。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
浮
(
うか
)
べたか、
水
(
みづ
)
のじと/\とある
縁
(
へり
)
にかけて、
小船
(
こぶね
)
が
一艘
(
いつそう
)
、
底
(
そこ
)
つた
形
(
かたち
)
は、
処
(
ところ
)
がら
名
(
な
)
も
知
(
し
)
れぬ
大
(
おほい
)
なる
魚
(
うを
)
の、がくり、と
歯
(
は
)
を
噛
(
か
)
んだ
白髑髏
(
しやれかうべ
)
のやうなのがある。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
は
穏
(
おだ
)
やかで、やがて
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
が
高
(
たか
)
く
上
(
のぼ
)
ると
波
(
なみ
)
は、いっそう
美
(
うつく
)
しく
閃
(
きらめ
)
いて、
前日
(
ぜんじつ
)
までのものすごさはどこへか
消
(
き
)
えてしまい、
帆船
(
ほぶね
)
や、
小船
(
こぶね
)
や、
汽船
(
きせん
)
は
海
(
うみ
)
の
上
(
うえ
)
に
浮
(
う
)
かんで
小さな金色の翼
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大島
(
おおしま
)
の
者
(
もの
)
は、
為朝
(
ためとも
)
が
小船
(
こぶね
)
に
乗
(
の
)
って出たなり
未
(
いま
)
だに
帰
(
かえ
)
って
来
(
こ
)
ないので、どうしたのかと
思
(
おも
)
っていますと、ある
日
(
ひ
)
恐
(
おそ
)
ろしい
鬼
(
おに
)
をつれてひょっこり
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
たので、みんなびっくりしてしまいました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
あの
沖
(
おき
)
に、たくさんの
小船
(
こぶね
)
にまじって、あの女の船が出て行くよ。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
池で、船の中へ鯉が
飛込
(
とびこ
)
むと、弟子たちが手を
拍
(
う
)
つ、
立騒
(
たちさわ
)
ぐ声が響いて、最初は女中が
小船
(
こぶね
)
で来た。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれど、みんなは
老人
(
ろうじん
)
のいうことを
承知
(
しょうち
)
しませんでした。そしてついに
老人
(
ろうじん
)
を三
人
(
にん
)
の
乗
(
の
)
ってきた
小船
(
こぶね
)
に
乗
(
の
)
せて、
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
へ
流
(
なが
)
してしまいました。みんなは、これで
復讐
(
ふくしゅう
)
がとげられたと
思
(
おも
)
いました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
(
ひ
)
に
水
(
みづ
)
の
影
(
かげ
)
もさゝぬのに、
其
(
そ
)
の
四阿
(
あづまや
)
をさがりに、
二三輪
(
にさんりん
)
、
眞紫
(
まむらさき
)
の
菖蒲
(
あやめ
)
が
大
(
おほき
)
くぱつと
咲
(
さ
)
いて、
縋
(
すが
)
つたやうに、
倒
(
たふ
)
れかゝつた
竹
(
たけ
)
の
棹
(
さを
)
も、
池
(
いけ
)
に
小船
(
こぶね
)
に
棹
(
さをさ
)
したやうに
面影
(
おもかげ
)
に
立
(
た
)
つたのである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小船
(
こぶね
)
は、
木
(
こ
)
の
葉
(
は
)
のように
波
(
なみ
)
の
上
(
うえ
)
でほんろうされていました。
一本の銀の針
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
処
(
ところ
)
が
其
(
そ
)
の
小船
(
こぶね
)
は、
何
(
なん
)
の
時
(
とき
)
か、
向
(
むか
)
ふ
岸
(
ぎし
)
から
此
(
この
)
岸
(
きし
)
へ
漕寄
(
こぎよ
)
せたものゝ
如
(
ごと
)
く、
艫
(
とも
)
を
彼方
(
かなた
)
に、
舳
(
みよし
)
を
蘆
(
あし
)
の
根
(
ね
)
に
乗据
(
のつす
)
えた
形
(
かたち
)
に
見
(
み
)
える、……
何処
(
どこ
)
の
捨小船
(
すてをぶね
)
にも、
恁
(
か
)
う
逆
(
ぎやく
)
に
攬
(
もや
)
つたと
言
(
い
)
ふのは
無
(
な
)
からう。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
開
(
ひら
)
いたが、
飛
(
と
)
びはしない、で、ばさりと
諸翼
(
もろつばさ
)
搏
(
はう
)
つと
斉
(
ひと
)
しく、
俯向
(
うつむ
)
けに
頸
(
くび
)
を
伸
(
の
)
ばして、あの
長
(
なが
)
い
嘴
(
くちばし
)
が、
水
(
みづ
)
の
面
(
も
)
へ
衝
(
つ
)
と
届
(
とゞ
)
くや
否
(
いな
)
や、
小船
(
こぶね
)
がすら/\と
動
(
うご
)
きはじめて、
音
(
おと
)
もなく
漕
(
こ
)
いで
出
(
で
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
陰々
(
いん/\
)
たる
汀
(
みぎは
)
こそ
御占場
(
おうらなひば
)
と
称
(
しよう
)
するので——(
小船
(
こぶね
)
は
通
(
とほ
)
るさうである)——
画工
(
ゑかき
)
さんと
英雄
(
えいゆう
)
とは、そこへ——おのおの……
畠山
(
はたけやま
)
の
馬
(
うま
)
ではない、……
猪
(
しゝ
)
を
抱
(
いだ
)
き、
鹿
(
しか
)
をかつぐが
如
(
ごと
)
き
大荷
(
おほに
)
のまゝ
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
乃
(
すなは
)
ち
山
(
やま
)
の
背面
(
はいめん
)
には、
岸
(
きし
)
に
沿
(
そ
)
ふ三
角
(
すみ
)
さんの
小船
(
こぶね
)
がある。たゞその
人
(
ひと
)
が
頼
(
たよ
)
りであつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そゞろ
身
(
み
)
にしみて、
春
(
はる
)
の
夕
(
ゆふべ
)
の
言
(
ことば
)
の
契
(
ちぎり
)
は、
朧月夜
(
おぼろづきよ
)
の
色
(
いろ
)
と
成
(
な
)
つて、
然
(
しか
)
も
桃色
(
もゝいろ
)
の
流
(
ながれ
)
に
銀
(
しろがね
)
の
棹
(
さを
)
さして、お
好
(
かう
)
ちやんが、
自分
(
じぶん
)
で
小船
(
こぶね
)
を
操
(
あやつ
)
つて、
月
(
つき
)
のみどりの
葉
(
は
)
がくれに、
若旦那
(
わかだんな
)
の
別業
(
べつげふ
)
へ
通
(
かよ
)
つて
來
(
く
)
る
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
には
小船
(
こぶね
)
も
浮
(
うか
)
べられる。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
船
常用漢字
小2
部首:⾈
11画
“小船”で始まる語句
小船渡
小船町