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漕寄
矢よりも
疾く
漕寄せた、同じ
童が
艪を押して、より幼き他の
児と、親船に寝た
以前の船頭、三体ともに船に
在り。
遥かにその姿の浮いた折から、荒物屋の
媼なんど、五七人乗った小舟を
漕寄せたが、流れて来る材木がくるりと廻って
舷を突いたので、船は波に乗って
颯と
退いた。
卸して
漕寄見れば當時
本店にて日の出の
番頭吉兵衞なれば
杢右衞門は
慇懃に是は/\番頭樣には
何御用にて御
出成れしやと尋ければ吉兵衞
答て
御前方も兼て知らるゝ如く此吉兵衞は是迄
精心を