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止
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とゞ
ふりがな文庫
“
止
(
とゞ
)” の例文
磐梯山破裂
(
ばんだいざんはれつ
)
の
跡
(
あと
)
には
大
(
おほ
)
きな
蒸氣孔
(
じようきこう
)
を
殘
(
のこ
)
し、
火山作用
(
かざんさよう
)
は
今
(
いま
)
もなほ
盛
(
さか
)
んであるが、
眉山
(
まゆやま
)
の
場合
(
ばあひ
)
には
毫
(
ごう
)
も
右樣
(
みぎよう
)
の
痕跡
(
こんせき
)
を
止
(
とゞ
)
めなかつたのである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何
(
なん
)
の
故
(
ゆゑ
)
とも
知
(
し
)
らねども
正太
(
しようた
)
は
呆
(
あき
)
れて
追
(
お
)
ひすがり
袖
(
そで
)
を
止
(
とゞ
)
めては
怪
(
あや
)
しがるに、
美登利
(
みどり
)
顏
(
かほ
)
のみ
打赤
(
うちあか
)
めて、
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
い、と
言
(
い
)
ふ
聲
(
こゑ
)
理由
(
わけ
)
あり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
山三郎は石塔の際へ馬を
止
(
とゞ
)
めて居る。圖書は山三郎はまだ
来
(
きた
)
らんと心得てぱっ/\と土煙を立って参りますと、
傍
(
わき
)
から声を掛けまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わが伏姫を論ぜんと企てしは、その純潔を観察するに
止
(
とゞ
)
めんとせしなるに、図らずも馬琴の哲学に入りて因果論
等
(
など
)
をほのめかすに至りぬ。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
止
(
とゞ
)
めの一刀を
刺貫
(
さしとほ
)
し
脆
(
もろ
)
い奴だと重四郎は彼の
荷物
(
にもつ
)
を
斷落
(
きりおと
)
して
荷
(
に
)
の
中
(
うち
)
より四五百兩の金子を奪ひ取つゝ
其儘
(
そのまゝ
)
此所を
悠然
(
いう/\
)
と立去り
頓
(
やが
)
て
旅支度
(
たびじたく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
更に
止
(
とゞ
)
めまで刺されてをり、尚ほ變つて居るのは、その死骸の側に、
大鋸
(
おほのこぎり
)
が一梃、血まで塗つて置いてあることだつたのです。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
『あゝ、
夢
(
ゆめ
)
ではありますまいか、
之
(
これ
)
が
夢
(
ゆめ
)
でなかつたら、どんなに
嬉
(
うれ
)
しいんでせう。』と、
止
(
とゞ
)
め
兼
(
かね
)
たる
喜悦
(
よろこび
)
の
涙
(
なみだ
)
をソツと
紅絹
(
くれない
)
の
手巾
(
ハンカチーフ
)
に
押拭
(
おしぬぐ
)
ふ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
色も褪せボロボロになって原形を
止
(
とゞ
)
めない着衣の一部の切れ地から、立派に元の状態が推測出来る科学の力は驚く外はない。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
されど汝の睡りの時
疾
(
と
)
く過ぐるがゆゑに、あたかも
良
(
よ
)
き
縫物師
(
ぬひものし
)
のその
有
(
も
)
つ
織物
(
きれ
)
に
適
(
あは
)
せて衣を造る如く、我等こゝに
言
(
ことば
)
を
止
(
とゞ
)
めて 一三九—一四一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
若し我が講壇をして単に教師が其理想、其議論を語るの所たるに
止
(
とゞ
)
まらしめば、教会は空論の教会となり、而して信徒は空論の人となるべき也。
信仰個条なかるべからず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
いろ/\な大人の
為
(
す
)
ることを見たり聞いたりしても、其頃の私は
直
(
すぐ
)
にそれを
見倣
(
みなら
)
はうとはしないで、唯自分で自分に知れる程度に
止
(
とゞ
)
めて置いた。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
両岸に触れたり、
泗流
(
しりう
)
の
止
(
とゞ
)
むる所となつたりしてはいけない。又、停滞して腐敗してはいけない。我々は中流を静に流るゝ木片でなければならない。
谷合の碧い空
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
実際
(
じつさい
)
に
真面目
(
しんめんもく
)
に
生涯
(
せうがい
)
の
真味
(
しんみ
)
を
味
(
あぢは
)
ひし人のみが
互
(
たがひ
)
に
共
(
とも
)
に
働
(
はたら
)
き得る人なり
宗教
(
しふけう
)
を以て
茶話席
(
ちやわせき
)
の
活題
(
くわつだい
)
となすに
止
(
とゞ
)
まるものは
言語的
(
げんごてき
)
捺印的
(
なついんてき
)
の
一致
(
いつち
)
を
計
(
はか
)
れよ
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
流れ入る客はしばらくも
止
(
とゞ
)
まらず。夫妻連れの洋人、
赤套
(
レツドコート
)
の英国士官、
丸髷
(
まるまげ
)
束髪
(
そくはつ
)
御同伴の燕尾服、勲章
眩
(
まば
)
ゆき陸海軍武官、商人顔あり、議員
面
(
づら
)
あり。
燕尾服着初めの記
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
彼
(
かの
)
堆
(
うづたか
)
く
積
(
つ
)
める
蛇
(
くちなは
)
の
屍
(
しかばね
)
も、
彼等
(
かれら
)
將
(
まさ
)
に
去
(
さ
)
らむとするに
際
(
さい
)
しては、
穴
(
あな
)
を
穿
(
うが
)
ちて
盡
(
こと/″\
)
く
埋
(
うづ
)
むるなり。さても
清風
(
せいふう
)
吹
(
ふ
)
きて
不淨
(
ふじやう
)
を
掃
(
はら
)
へば、
山野
(
さんや
)
一點
(
いつてん
)
の
妖氛
(
えうふん
)
をも
止
(
とゞ
)
めず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
指頭画は下らぬ芸で、大雅堂なども一
頻
(
しき
)
りこれに凝つた時代があつたが、友達に戒められて思ひ
止
(
とゞ
)
まつてしまつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
の
火
(
ひ
)
は
灸
(
きう
)
の
如
(
ごと
)
き
跡
(
あと
)
をぽつ/\と
止
(
とゞ
)
めたのみで
衣物
(
きもの
)
の
心部
(
しんぶ
)
は
深
(
ふか
)
く
噛
(
か
)
まなかつた。
埃
(
ほこり
)
は
彼
(
かれ
)
を
越
(
こ
)
えて
走
(
はし
)
つた。
與吉
(
よきち
)
は
火傷
(
やけど
)
の
疼痛
(
とうつう
)
を
訴
(
うつた
)
へて
獨
(
ひとり
)
悲
(
かな
)
しく
泣
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
澄
(
す
)
んだ
空
(
そら
)
の
月
(
つき
)
を
寢
(
ね
)
ながら
眺
(
なが
)
める、
人
(
ひと
)
いきれから
逃
(
のが
)
れた
郊外
(
こうがい
)
の
樂
(
たのし
)
みは、こゝに
止
(
とゞ
)
めを
刺
(
さ
)
す……それが
觀
(
み
)
られない。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
又た事実に於ても此侠客気質の幾部分は、形骸を土木の労働者、鉱山の人夫などに
止
(
とゞ
)
めて暫らくは存在しやう。
侠客の種類
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
皆さん、ちよつと静かな窓の外を御覧なさい、何と麗しく天心に
止
(
とゞ
)
まつた秋の月は輝いて居るではありませんか。私は今ペンを置いてその通りにしてゐます。
青白き公園
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
瑠璃子の言葉に、闘牛が、
止
(
とゞ
)
めの一撃を受けたやうに、青年の細長い身体が、タヂ/\と後へよろめいた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
此
(
こ
)
の
間
(
かん
)
金解禁
(
きんかいきん
)
の
計畫
(
けいくわく
)
をしたのは一
再
(
さい
)
に
止
(
とゞ
)
まらなかつたが、
種々
(
しゆ/″\
)
の
事情
(
じじやう
)
の
爲
(
た
)
めに
其
(
そ
)
の
實現
(
じつげん
)
が
出來
(
でき
)
なかつた。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
舟は
暫時
(
しばら
)
く大船小船六七
艘
(
さう
)
の間を縫ふて進んで居たが間もなく廣々とした沖合に出た。月は益々冴えて秋の夜かと思はれるばかり、女は
漕手
(
こぐて
)
を
止
(
とゞ
)
めて僕の傍に坐つた。
少年の悲哀
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
行列
(
ぎやうれつ
)
が
愛
(
あい
)
ちやんと
相對峙
(
あひたいぢ
)
する
迄
(
まで
)
進
(
すゝ
)
んで
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
に、
彼等
(
かれら
)
は一
齊
(
せい
)
に
止
(
とゞ
)
まつて
愛
(
あい
)
ちやんを
打眺
(
うちなが
)
めました、
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
嚴肅
(
げんしゆく
)
に、『こは
何者
(
なにもの
)
ぞ?』と
心臟
(
ハート
)
の
軍人
(
ネーブ
)
にまで
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ロミオ あの
石垣
(
いしがき
)
は、
戀
(
こひ
)
の
輕
(
かる
)
い
翼
(
つばさ
)
で
踰
(
こ
)
えた。
如何
(
いか
)
な
鐵壁
(
てっぺき
)
も
戀
(
こひ
)
を
遮
(
さへぎ
)
ることは
出來
(
でき
)
ぬ。
戀
(
こひ
)
は
欲
(
ほっ
)
すれば
如何樣
(
どのやう
)
な
事
(
こと
)
をも
敢
(
あへ
)
てするもの。
卿
(
そもじ
)
の
家
(
うち
)
の
人達
(
ひとたち
)
とても
予
(
わし
)
を
止
(
とゞ
)
むる
力
(
ちから
)
は
有
(
も
)
たぬ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
蒔絵
(
まきゑ
)
を造り、陶器を作り、又刀剣をも
鍛
(
きた
)
へた。私は此人が政治の上に発揮することの出来なかつた精力を、芸術の方面に傾注したのを面白く思ふ。面白いのはこゝに
止
(
とゞ
)
まらない。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
雨水
(
うすい
)
を
止
(
とゞ
)
めためておく
餘裕
(
よゆう
)
がなくなり、
降
(
ふ
)
つただけの
雨水
(
うすい
)
が
一
(
いち
)
どに
流
(
なが
)
れ
下
(
くだ
)
つて、
山
(
やま
)
にある
土
(
つち
)
や
砂
(
すな
)
を
河底
(
かはぞこ
)
に
流
(
なが
)
し
埋
(
うづ
)
めるために、
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
れかたが
急
(
きゆう
)
に
變
(
かは
)
つて、あふれひろがるからです。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
此日
(
このひ
)
此地
(
このち
)
此有様
(
このありさま
)
永
(
なが
)
く
描写
(
べうしや
)
し
止
(
とゞ
)
まりて、
後年
(
こうねん
)
いかなる
大業
(
たいげふ
)
を
作
(
な
)
す
種子
(
たね
)
とやならん、
予
(
よ
)
は
集
(
つど
)
へる人を見て
一種
(
いつしゆ
)
頼
(
たの
)
もしき
心地
(
こゝち
)
も
発
(
おこ
)
りたり、
此一行
(
このいつかう
)
が
此後
(
こののち
)
の
消息
(
せうそく
)
、
社員
(
しやゐん
)
横川氏
(
よこかはし
)
が通信に
委
(
くは
)
しければ
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
そのうち主人が目的地に達したやうに足を
止
(
とゞ
)
めたので、老人が決心して問うた。
フロルスと賊と
(新字旧仮名)
/
ミカイル・アレクセーヴィチ・クスミン
(著)
こんな天気のいゝ時だと
憶
(
おも
)
ひ
起
(
おこ
)
し
候
(
そろ
)
は、
小生
(
せうせい
)
のいさゝか
意
(
い
)
に
満
(
み
)
たぬ
事
(
こと
)
あれば、いつも
綾瀬
(
あやせ
)
の
土手
(
どて
)
に
参
(
まゐ
)
りて、
折
(
を
)
り
敷
(
し
)
ける草の上に
果
(
はて
)
は
寝転
(
ねころ
)
びながら、青きは動かず白きは
止
(
とゞ
)
まらぬ雲を
眺
(
なが
)
めて
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
相手の青年畫家は、フランスからこの町へ來て、こゝの女のしめりつぽい碧い目と、琥珀色の絹のやうなふさ/\しい髮と、純白な裾長い着物を着た、典雅な姿を寫し取るために
止
(
とゞ
)
まつてゐた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
自
(
みづか
)
らの
解放
(
かいほう
)
に正しい
途
(
みち
)
を
撰
(
えら
)
び、
生
(
い
)
ける
銃架
(
じうか
)
たる
事
(
こと
)
を
止
(
とゞ
)
めるであらう
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
乃ち令を諸軍に傳へて、攻撃を
止
(
とゞ
)
む。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
からは
灰
(
はひ
)
にあとも
止
(
とゞ
)
めず
煙
(
けぶ
)
りは
空
(
そら
)
に
棚引
(
たなび
)
き
消
(
き
)
ゆるを、うれしや
我
(
わが
)
執着
(
しふちやく
)
も
遺
(
のこ
)
らざりけるよと
打眺
(
うちなが
)
むれば、
月
(
つき
)
やもりくる
軒
(
のき
)
ばに
風
(
かぜ
)
のおと
清
(
きよ
)
し。
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
阿蘇
(
あそ
)
の
火山灰
(
かざんばひ
)
はこの
地方
(
ちほう
)
で『よな』と
稱
(
とな
)
へられてゐるが、
被害
(
ひがい
)
は
單
(
たん
)
に
阿蘇
(
あそ
)
のみに
止
(
とゞ
)
まらずして、
大分縣
(
おほいたけん
)
にまでも
及
(
およ
)
ぶことがある。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
後藤は
止
(
とゞ
)
め
否々
(
いや/\
)
打擲
(
ちやうちやく
)
なして
若
(
もし
)
打處が惡く殺しもなさば死人に口無却つて
面倒
(
めんだう
)
なり先々拙者の連こそ幸ひ某しに
任
(
まか
)
すべし面白き計らひあり命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「佛樣はまだ母屋にあるから、あとで見てくれ。前から三
太刀
(
たち
)
も斬り付けて、喉笛を刺したのが
止
(
とゞ
)
めになつて居る。いやもうひどいやり方で」
銭形平次捕物控:154 凧の詭計
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
年を
老
(
と
)
ったお
祖父
(
じい
)
さんが先に立って仇討などという事を勧めちゃアいかん、それは時節が違うから、まア私の云う事を
肯
(
き
)
いて思い
止
(
とゞ
)
まんなさい
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鑑定書はいずれも微に入り細を穿ち、頗る
浩瀚
(
こうかん
)
なものであるが、こゝには結論を挙げるだけに
止
(
とゞ
)
めて置こう。布地に関する鑑定は次の如くである。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
さりながら
應
(
おう
)
が
影
(
かげ
)
をも
止
(
とゞ
)
めざる
時
(
とき
)
だに、
厭
(
いと
)
ふべき
蛇喰
(
へびくひ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
いだ
)
さしめて、
折角
(
せつかく
)
の
愉快
(
ゆくわい
)
も
打消
(
うちけ
)
され、
掃愁
(
さうしう
)
の
酒
(
さけ
)
も
醒
(
さ
)
むるは、
各自
(
かくじ
)
が
伴
(
ともな
)
ひ
行
(
ゆ
)
く
幼
(
をさな
)
き
者
(
もの
)
の
唱歌
(
しやうか
)
なり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ベアトリーチェは
上方
(
うへ
)
を、我は彼を見き、しかして矢の
弦
(
つる
)
を離れ、飛び、
止
(
とゞ
)
まるばかりの間に 二二—二四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
何處
(
どこ
)
の
梢
(
こずゑ
)
も
白
(
しろ
)
い
物
(
もの
)
を
止
(
とゞ
)
めないで
疲
(
つか
)
れたやうに
濡
(
ぬれ
)
て
居
(
ゐ
)
た。
雪
(
ゆき
)
は
悉
(
こと/″\
)
く
土
(
つち
)
に
落
(
おち
)
ついて
畢
(
しま
)
つた。
其
(
その
)
落
(
おち
)
ついた
雪
(
ゆき
)
を
突
(
つ
)
き
扛
(
あ
)
げて
何處
(
どこ
)
の
屋根
(
やね
)
でも
白
(
しろ
)
い
大
(
おほ
)
きな
塊
(
かたまり
)
のやうに
見
(
み
)
えた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
社会は
時辰機
(
とけい
)
の如し、一部分の破損は以て全躰の破損となり、遂には運行を
止
(
とゞ
)
むるに至るべし。之を以て
孰
(
いづ
)
れの邦国にも孰れの社会にも必らず何等かの倫理あるなり。
実行的道徳
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
怖ろしい注意力に怯えながら、吐き、逼ひ、蠢き、転げなければならなかつた。全ての神経を一本の槍に化して、吾が手で吾が胸に
止
(
とゞ
)
めを射さなければならなかつた。
西瓜喰ふ人
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
それが
或
(
ある
)
事情
(
じじやう
)
の
爲
(
た
)
めに
明言
(
めいげん
)
する
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ず、さりとて
主家
(
しゆか
)
の
大難
(
だいなん
)
を
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
に
打※
(
うちすぎ
)
るにも
忍
(
しの
)
びで、かくは
縁起話
(
えんぎばなし
)
に
托言
(
かこつ
)
けて、
其
(
その
)
夜
(
よ
)
の
出發
(
しゆつぱつ
)
を
止
(
とゞ
)
めたのかも
知
(
し
)
れぬ。と
語
(
かた
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あのやうな喞筒の練習! 自分は何だか不思議なやうな気が
為
(
し
)
て仕方が無かつたが、これは
只
(
たゞ
)
何の意味も無い練習に
止
(
とゞ
)
まるのであらうと解釈して、其儘其村へと入つて行つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
彼女は
止
(
とゞ
)
まつて、
而
(
さう
)
して忍ぶべく決心した。彼女の苦しい辛い境遇に堪へようと決心した。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
カピューレット
長者
(
ちゃうじゃ
)
寢衣
(
ねまき
)
のまゝにて、
其
(
その
)
妻
(
つま
)
カピューレット
夫人
(
ふじん
)
はそれを
止
(
とゞ
)
めつゝ、
出
(
で
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
全
(
まつた
)
く
其動物
(
そのどうぶつ
)
の
容子
(
ようす
)
を
好
(
この
)
みませんでしたが、それでも
未
(
ま
)
だあの
野蠻
(
やばん
)
な
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
後
(
あと
)
へ
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
くよりは、それと
共
(
とも
)
に
止
(
とゞ
)
まつて
居
(
ゐ
)
た
方
(
はう
)
が
幾
(
いく
)
ら
安全
(
あんぜん
)
だか
知
(
し
)
れないと
思
(
おも
)
ひました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
寧
(
いつ
)
そ幸子女史が音楽の先生なぞ
止
(
や
)
めてしまつて、京都へ来て世話女房になるか、それとも安藤氏が語学の教師を思ひ
止
(
とゞ
)
まつて、東京へ帰つて、
嬰児
(
あかんぼ
)
の
守
(
もり
)
でもするか、二つに一つ
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“止”を含む語句
停止
笑止
中止
静止
小止
挙止
踏止
休止
取止
波止場
立止
行止
押止
廃止
制止
駒止
思止
默止
発止
底止
...