静かに金剛不壊といふことを思ふ。既に金剛不壊である。生死なく、暑寒なく、煩悩なしである。しかしそは生死なく暑寒なく煩悩なしを言ふことではない。又、生も可なり死も可なり暑寒煩悩も亦可なりと言ふことでもない。生の喜び、死の苦みは十分に受けること …
著者 | 田山録弥 |
著者 | 田山花袋 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「文章世界 第十二巻第八号」1917(大正6)年8月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約11分(300文字/分) |