“どま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
土間58.4%
14.3%
8.7%
7.5%
3.7%
3.7%
土室1.9%
0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土間どまから眼を放したお延は、ついに谷をへだてた向う側を吟味ぎんみし始めた。するとちょうどその時うしろをふり向いた百合子が不意に云った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
馬越氏は皺くちやなの甲で、その大事な眼をこすつてよろこんだ。そして骨董屋の店前みせさきを出ようとして思はずどまつた。
この男往来をあるきながら急に立ちどまり、石などを拾い上げてこれをあたりの人家に打ちつけ、けたたましく火事だ火事だと叫ぶことあり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その立ちどまつた男の側を通り拔ける拍子に、その男が引き摺つてゐた帶を、薄暗がりだからつひ見えないで踏み附けた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
伯父さんの家とは私達が今立ちどまっているすぐ前の金物店であったが、相当の生活をしているのでお巻さん親子の生活費の幾分を補助しているらしかった。
ゆくに今宵はまづ藤澤ふじさはどまりと心懸こゝろがけ鶴見畷つるみなはてなど打眺うちながめながら神奈川臺も打越し處に町人體の男半四郎のあとになり先になり來りしがほどの先なる燒持坂やきもちざかの邊りより彼町人體の男は聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……もう九時になったか、と、時計の方へやった眼をまた入口の方へやった。青いかあてんだるそうに垂れて、土室どまの中に漂うた酒と煙草のにおいを吸うていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どまりて、あとなる色黒き小男に向ひ、「ここなり」といひて、戸口をあけつ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
自殺幇助ここらで堕落ゆきどまり可運子
大正東京錦絵 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
ギリシアではかかる時その人立ちどまりて兎を見なんだ人が来て途を横ぎるをちて初めて歩み出す(コラン・ド・ブランチー、前出)。