どま)” の例文
「お豊、いいあんばいに、お天気じゃ、今夜は内牧うちまきどまりとして、それまでに夕立でも出なければ何よりじゃ。おお、吉田様が見えない、どうなさった」
ゆくに今宵はまづ藤澤ふじさはどまりと心懸こゝろがけ鶴見畷つるみなはてなど打眺うちながめながら神奈川臺も打越し處に町人體の男半四郎のあとになり先になり來りしがほどの先なる燒持坂やきもちざかの邊りより彼町人體の男は聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昼のざしも、こたえがなく、北日本特有の寒風が、やりのごとく波面なみづらをかすッて、港どまりの諸船もろぶねばしら、ゆッさゆッさとゆさぶれあうさま、まるでたらいのなかの玩具おもちゃを見るよう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『お嬢さんを拝借して参りましたのですよ。一晩どまりで行つて参りますの。』
御門主 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
馬「どうせけえり馬でごぜえやす、今ね新高野までお客ウ二人案内してね、また是からむこうくのでごぜえやすが、手間がとれるから、鰭ヶ崎の東福寺とうふくじどまりと云うのだが、幾らでもいゝから廉く遣るべえじゃアねえか」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
落し扨其の行先は何れ成と問ば家主は打案うちあんじてたしかには知らねども今宵こよひは千住どまりとか申したりと云を聞て直に家に歸りたび支度を成し千ぢゆさしいそぎけりことわざに云己人をあざむかんとすれば人又おのれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
明けて六月一日も堺どまり。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)