“こわいろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
声色54.2%
仮声20.0%
聲色11.0%
仮色7.7%
假聲2.6%
仮白1.3%
假白1.3%
似声0.6%
假色0.6%
声音0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それくらいのことなら四人の口合いでも出来ることだし、ひょっとすると、そのうちの誰かが里春の声色こわいろを使ったのかも知れない。
と、下唇をらすのを、女房はこの芸なしの口不調法、お世辞の気で、どっかで喧嘩した時の仮声こわいろをつかうのかと思っていると
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一寸法師の玉六だよ、あの一寸法師は物眞似聲色こわいろの名人だ。衝立の蔭にもう一つの道化のかみしもをチラ付かせて、玉吉の聲色で歌つてゐたんだ。
こんなにものを云つてる人間が自分の外にあつて、自分はただその仮色こわいろをつかつてるにすぎないのではあるまいかとさへ思はれた。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
だよう、おとつゝあになぐられつから、おとつゝあ勘辨かんべんしてくろよう」と歔欷すゝりなくやうな假聲こわいろさらきこえた。惘然ばうぜんとしてすべてがどよめいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
姉さんは壮健じょうぶそうに成ったばかりでなく、晴々とした眼付で玉木さん達の噂をした後に、めったに口にしたことのない仮白こわいろなぞをつかうほど機嫌が好かった。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
斯の兄は其頃から度々上京しまして旅屋やどやに日を送りましたから、私もよく銀座邊の寄席へは連れられて行きましたが、騷がしい樂屋の鳴物だの役者の假白こわいろだのを聞いて居ると
かれはしゃものような声で弁士の似声こわいろを使ったり、またほうきげて剣劇のまねをするので女中達は喜んで喝采した。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
こんなにものを云つてる人間が自分の外にあつて、自分はただその假色こわいろをつかつてるにすぎないのではあるまいかとさへ思はれた。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
まず課長殿の身態みぶり声音こわいろはおろか、咳払せきばらいの様子からくさめの仕方まで真似まねたものだ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)