トップ
>
聲色
>
こわいろ
ふりがな文庫
“
聲色
(
こわいろ
)” の例文
新字:
声色
殊に先々代の
女將
(
おかみ
)
は聲が美しく、
天滿
(
てんま
)
村のきりぎりすと呼ばれて、村の
老人
(
としより
)
の中には今でも其の美しい
聲色
(
こわいろ
)
をつかふものがある。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
一寸法師の玉六だよ、あの一寸法師は物眞似
聲色
(
こわいろ
)
の名人だ。衝立の蔭にもう一つの道化の
裃
(
かみしも
)
をチラ付かせて、玉吉の聲色で歌つてゐたんだ。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
せしに相違なしと思ひければ夫より三井寺の辨慶は長屋中を
觸歩行
(
ふれあるき
)
しに仲間なる丹波の
荒熊
(
あらくま
)
又は
皿廻
(
さらまは
)
し
烏
(
からす
)
の
聲色
(
こわいろ
)
遣
(
つか
)
ひなど皆々此浪宅へ來り樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
麗かな春日をぽか/\と浴び乍ら、信州訛で、やれ福助が、やれ菊五郎が、などと役者の
聲色
(
こわいろ
)
や身振りを眞似て、賑かな芝居の話しで持切りだつた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
休憩時間になると、
聲色
(
こわいろ
)
をつかつてそれを生徒たちへ説明してやつた。そんな漫畫をかいた手帖が四五册もたまつた。机に頬杖ついて教室の外の景色をぼんやり眺めて一時間を過すこともあつた。
思ひ出
(旧字旧仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
恐らく何處かの野良犬が、この界隈で餌をあさつて居るか、街の
不良
(
よたもの
)
共が、狼の
聲色
(
こわいろ
)
でも使つて、女子供を脅かして居るんだらうと思つたのです。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
背負
(
せおひ
)
て一文貰ひの辨慶或は一人
角力
(
すまふ
)
の關取
烏
(
からす
)
の
聲色
(
こわいろ
)
何れも乞食渡世の
仲間
(
なかま
)
にて是等の類皆々長屋づきあひなれ
共
(
ども
)
流石
(
さすが
)
大橋文右衞門は
零落
(
れいらく
)
しても以前は越後家にて五百石取の物頭役なれば只今市之丞の長八に
對面
(
たいめん
)
なすに
屹
(
きつ
)
と状を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「喜八郎と入れ
換
(
かは
)
つたのだよ、喜八郎は百人町の百兵衞のところに
泊
(
とま
)
つて、俺は此處へ戻つて來たまでのこと、喜八郎の
聲色
(
こわいろ
)
を使ふのに骨を折つたぞ」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女が男の
聲色
(
こわいろ
)
を使ふのはむづかしいが、男が女の聲色を使ふのは、世間でも少なくない。まして自分の女房の聲色くらゐは、竹松には何んでもない隱し藝だ
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聲色
(
こわいろ
)
まで
巧
(
たく
)
みだつたので、喧嘩別れした亭主——矢の根五郎吉に
變裝
(
へんさう
)
して、御用金二千兩を盜み出したと見せかけ、怨みのある五郎吉を
刑死
(
けいし
)
させたのです。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところがお鳥の前身は見世物の
力業
(
ちからわざ
)
の太夫だ。その上
聲色
(
こわいろ
)
の名人と知れて、何も彼もわかつたよ。
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
金兵衞が敬太郎の
聲色
(
こわいろ
)
を遣つてお茂世さんをおびき出したのさ——金兵衞は藝人崩れで、
聲色
(
こわいろ
)
がうまいと言つたのを知つてるだらう——、敬太郎に呼出されたつもりで
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もつと
)
も何んかの時鼻唄位はやりますが、ちよいと
錆
(
さび
)
のある良い聲で、——それに
物眞似
(
ものまね
)
が上手ですよ、お隣の御浪人の眞似や三河屋の若旦那の
聲色
(
こわいろ
)
なんか、そつくりその儘で
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
狩屋三郎の
聲色
(
こわいろ
)
位は使つたかも知れない。お照はそれをてつきり、狩屋三郎と思ひ込んで三階へ引入れたが、月の光に、狩屋三郎でないとわかると、驚いて逃出さうとした。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女形の
聲色
(
こわいろ
)
をよく使ひ、お六は三味線の達者ですが、膽つ玉は竹松より遙かに太く、二人はよく夫婦喧嘩をしながらも、お互に弱い尻を握つてゐるらしく、いがみ合ひながらも
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
口上言ひの外物眞似が上手で、役者の
聲色
(
こわいろ
)
や、人の口眞似などは堂に入つた藝でした。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八はお徳の
聲色
(
こわいろ
)
まで使つて聞かせました。縁臺の上で、菊の香りにひたり乍ら、二つ三つはお徳にグリグリをやられたのでせう、何しろ、その熱心さは一と通りのことではありません。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あゝびつくりするぢやないか。
聲色
(
こわいろ
)
に身が入り過ぎるよ」
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の話は少し
聲色
(
こわいろ
)
になりました。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いきなり泣き出した
聲色
(
こわいろ
)
で」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎の報告は
聲色
(
こわいろ
)
入りです。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あの
娘
(
こ
)
の
聲色
(
こわいろ
)
ですよ」
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「娘と若衆の
聲色
(
こわいろ
)
」
銭形平次捕物控:272 飛ぶ若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聲
部首:⽿
17画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“聲色”で始まる語句
聲色使