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假聲
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こわいろ
ふりがな文庫
“
假聲
(
こわいろ
)” の例文
新字:
仮声
無常因果と、世にも
癡
(
たは
)
けたる乞食坊主のえせ
假聲
(
こわいろ
)
、武士がどの口もて言ひ得る
語
(
ことば
)
ぞ。弓矢とる身に何の無常、何の因果。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
「
厭
(
や
)
だよう、おとつゝあに
打
(
ぶ
)
ん
擲
(
なぐ
)
られつから、おとつゝあ
勘辨
(
かんべん
)
してくろよう」と
歔欷
(
すゝりな
)
くやうな
假聲
(
こわいろ
)
が
更
(
さら
)
に
聞
(
きこ
)
えた。
惘然
(
ばうぜん
)
として
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
た
凡
(
すべ
)
てがどよめいた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「天下の文章、不良少年の手に落つ。」私は、中田博士の
假聲
(
こわいろ
)
を使つて、二三度呟いた。博士の心にあつた不良少年團の名簿には私の名前も黒い字で記されてゐたに違ひない。
昔の西片町の人
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
夫
(
それ
)
から
當分
(
たうぶん
)
の
間
(
あひだ
)
は、
御免
(
ごめん
)
下
(
くだ
)
さいましだの、
何方
(
どちら
)
から
入
(
い
)
らつしやいましたのと
盛
(
さかん
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
の
言葉
(
ことば
)
が
交換
(
かうくわん
)
されてゐた。
其間
(
そのあひだ
)
にはちりん/\と
云
(
い
)
ふ
電話
(
でんわ
)
の
假聲
(
こわいろ
)
も
交
(
まじ
)
つた。
凡
(
すべ
)
てが
宗助
(
そうすけ
)
には
陽氣
(
やうき
)
で
珍
(
めづ
)
らしく
聞
(
きこ
)
えた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼等
(
かれら
)
の
手
(
て
)
には
饂飩
(
うどん
)
の
大
(
おほ
)
きな
笊
(
ざる
)
と二
升樽
(
しようだる
)
とそれから
醤油
(
しやうゆ
)
の
容器
(
いれもの
)
である
麥酒罎
(
ビールびん
)
とが
提
(
さ
)
げられた。
垣根
(
かきね
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た
時
(
とき
)
彼等
(
かれら
)
は
假聲
(
こわいろ
)
を
出
(
だ
)
してどつと
囃
(
はや
)
し
立
(
た
)
てゝ
又
(
また
)
囃
(
はや
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「おゝ
痛
(
い
)
てえまあ」
群集
(
ぐんしふ
)
の
中
(
なか
)
から
假聲
(
こわいろ
)
でいつた。
踊
(
をどり
)
の
列
(
れつ
)
は
先刻
(
さつき
)
から
崩
(
くづ
)
れて
堵
(
と
)
の
如
(
ごと
)
く
勘次
(
かんじ
)
とおつぎの
周圍
(
まはり
)
に
集
(
あつ
)
まつたのである。おつぎは
此
(
この
)
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
くと
共
(
とも
)
に
亂
(
みだ
)
れ
掛
(
か
)
けた
衣物
(
きもの
)
の
合
(
あは
)
せ
目
(
め
)
を
繕
(
つくろ
)
うた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
假
部首:⼈
11画
聲
部首:⽿
17画
“假”で始まる語句
假
假令
假初
假面
假名
假借
假寢
假牢
假病
假名文字