“風景(けしき)” の例文
「私、馬鹿なんでしょうか、風景(けしき)がちっとも眼に這入(はい)らないで、今だに一生懸命で戸締りをしているようなの、私時々体が二ツにも三ツにも別れて勝手な事しているンですよ」
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
かゝる優(やさ)しき振舞(ふるまひ)を妨(さまた)ぐるは、心(こゝろ)なき業(わざ)と思(おも)つたから、私(わたくし)は態(わざ)と其處(そこ)へは行(ゆ)かず、少(すこ)し離(はな)れてたゞ一人(ひとり)安樂倚子(アームチエヤー)の上(うへ)へ身(み)を横(よこた)へて、四方(よも)の風景(けしき)を見渡(みわた)すと、今宵(こよひ)は月(つき)明(あきら)かなれば
また彼方(かなた)では、一團(いちだん)の水兵(すいへい)がワイ/\と騷(さわ)いで居(を)るので、何事(なにごと)ぞと眺(なが)めると、其處(そこ)は小高(こだか)い丘(をか)の麓(ふもと)で、椰子(やし)や橄欖(かんらん)の葉(は)が青々(あほ/\)と茂(しげ)り、四邊(あたり)の風景(けしき)も一際(ひときわ)美(うる)はしいので、今夜(こんや)は此處(こゝ)に陣屋(ぢんや)を構(かま)へて