“陣屋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じんや57.1%
ぢんや42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、加賀見忍剣かがみにんけん龍太郎りゅうたろうやまた咲耶子さくやこにいたるまで、みなこの報告を天来の福音ふくいんときいて武田再興たけださいこう喜悦きえつにみなぎり、春風陣屋じんやにみちてきた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると同じ三十日の井伊掃部頭直孝いいかもんのかみなおたか陣屋じんやに召し使いになっていた女が一人にわかに気の狂ったように叫び出した。彼女はやっと三十を越した、古千屋こちやという名の女だった。
古千屋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
さてそれよりは、紀元節きげんせつ祝賀しゆくがと、このおほいなる成功せいこういわひとでくがごとさわぎ、よるになると、かねまうけられたる海岸かいがん陣屋ぢんや大祝賀會だいしゆくがくわいはじまつた。其塲そのば盛况せいけうふでにも言葉ことばにもつくされない。
平野郷は城代土井の領分八万石の内一万石の土地で、七名家しちめいかと云ふ土着のものが支配してゐる。其中の末吉すゑよし平左衛門、中瀬なかせ九郎兵衛の二人が、美吉屋から帰つた女中の話を聞いて、がう陣屋ぢんやに訴へた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)