“中瀬”の読み方と例文
読み方割合
なかせ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当今馬車道になりましたが、其の頃は女は手形がなければ通られぬとて、久下村くげむらより中瀬なかせに出て、渡しを越えて、漸々さかいという所まで来ますと、七つさがりになりまして、足が疲れて歩かれません。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
中瀬なかせのところは流れが早くてたびたび失敗したが、いくども根気よくやり直してどうにかやりこなし、魚を追い詰められるように、岸のところへ古い蛇籠じゃかごと木の枝を沈めてのようなものをつくった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
平野郷は城代土井の領分八万石の内一万石の土地で、七名家しちめいかと云ふ土着のものが支配してゐる。其中の末吉すゑよし平左衛門、中瀬なかせ九郎兵衛の二人が、美吉屋から帰つた女中の話を聞いて、がう陣屋ぢんやに訴へた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)