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めんしよく
嫁になんど
思ひも
寄らぬことなり
詞かはすも
忌はしきに
疾々歸らずやお
歸りなされエヽ
何をうぢ/\
老婆さま
其處を
閉めなさいと
詞づかひも
荒々しく
怒りの
面色すさまじきを
もて業となす醫師ゆゑ惡き
荷擔はせずと奉行に向ひ
立派に云ひ
眩めんとこそ計りしが今
我面を見知たる和吉が出しに
發と計り
驚き
怖れて
面色土の如くに
震ひ出せば
忠相ぬしを
と
女性の
無邪氣なる
輕薄を
笑ひ、
更に
一旦與へたる
財貨を
少娘の
筐中より
奪ひて
酒亭一塲の
醉夢に
附するの
條を
説かしめ
遂に
再び
免職になりし
事を
言ひ