-
トップ
>
-
少娘
と
女性の
無邪氣なる
輕薄を
笑ひ、
更に
一旦與へたる
財貨を
少娘の
筐中より
奪ひて
酒亭一塲の
醉夢に
附するの
條を
説かしめ
遂に
再び
免職になりし
事を
言ひ
ふところに収めたる当世風の
花簪、一世一代の
見立にて、安物ながらも江戸の
土産と、汗を拭きふき銀座の店にて
購ひたるものを取出して、
昔日の
少娘のその時五六歳なりしものゝ名を呼べば
何が
故に、
婬賣女に
罪を
行ふ
資本と
知りながら、
香水料の
慈惠を
爲せしや、
何が
故に
少娘を
困厄せしめし
惡漢をうちひしぐなどの
正義ありて、
而して
己れ
自ら
人を
殺すほどの
惡事を
爲せしや