“蹴返”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けかえ71.4%
けかへ19.0%
けか9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
下島は面色かおいろが変った。「そうか。返れと云うなら返る。」こう言い放って立ちしなに、下島は自分の前に据えてあった膳を蹴返けかえした。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
旗野の主人あるじ血刀ちがたなひつさげ、「やをれ婦人をんなく覚めよ」とお村のあばら蹴返けかへせしが、くわつはふにやかなひけむ、うむと一声ひとこゑ呼吸いきでて、あれと驚き起返おきかへる。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
甲谷はお柳から鈍重に蹴返けかえされると、ふとまた浴場の場合と同様に、芳秋蘭の姿が浮んで来た。彼は銭石山に視線を移すとまたいった。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)