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面色
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めんしょく
ふりがな文庫
“
面色
(
めんしょく
)” の例文
気丈な母ですから、懐剣を抜いて
溢
(
あふ
)
れ
落
(
おち
)
る血を
拭
(
ぬぐ
)
って、ホッ/\とつく息も絶え/″\になり、
面色
(
めんしょく
)
土気色に変じ、息を絶つばかり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
兄の
面色
(
めんしょく
)
の
蒼
(
あお
)
いのに反して、自分は我知らず、両方の頬の
熱
(
ほて
)
るのを強く感じた。その上自分は何と返事をして好いか分らなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あおざめた
面色
(
めんしょく
)
に、眼は血ばしり、頬には、涙の糸とほつれ毛を引き、その毛の先をきゅっと口に噛みしめて、物すごいばかりの形相。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
票数
(
ひょうすう
)
がよみあげられ、大統領は富士男と決定した、ドノバンは
絶望
(
ぜつぼう
)
のあまり
面色
(
めんしょく
)
を土のごとくになしてくちびるをかんでいた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
みな、生きてかえる
戦
(
いくさ
)
とは思わないので、張りつめた
面色
(
めんしょく
)
である。決死のひとみ、ものいわぬ口を、かたくむすんで、
粛々
(
しゅくしゅく
)
、
歩
(
ほ
)
をそろえた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
あの意地の悪そうな、
苦
(
にが
)
りきった
面色
(
めんしょく
)
が、泣くとも笑うともつかない
気色
(
けしき
)
を浮かべて、眼ばかりぎょろぎょろ
忙
(
せわ
)
しそうに、働かせて
居
(
お
)
るのでございます。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人々の
面色
(
めんしょく
)
が、俄かに土色に変ったようであった。これは天井に取付けてあった水銀灯が点灯したためであったが、多くの人は、急にはそれに気がつかなかった。
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
番頭は、この時、
面色
(
めんしょく
)
が土のようになり、よく戻っておいでになりましたともいいませんでした。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
驚きしも
宜
(
うべ
)
なりけり、
蒼然
(
そうぜん
)
として死人に等しきわが
面色
(
めんしょく
)
、帽をばいつのまにか失い、髪はおどろと乱れて、幾度か道にてつまずき倒れしことなれば、衣は
泥
(
どろ
)
まじりの雪によごれ
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
蕎麦に
田螺
(
たにし
)
、心太に生玉子、蟹に胡瓜も食べ合せ悪しきもの、
家鴨
(
あひる
)
の玉子ととろろを併せ食えば
面色
(
めんしょく
)
たちどころに変じて死すと云う。蛸と黒鯛は血を荒すが故に女子の禁物とするものなり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今にも我が敵に
噛附
(
かみつか
)
んずる程の怒れる
面色
(
めんしょく
)
を存すべき筈ならずや。
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
と一生懸命
面色
(
めんしょく
)
土気色に変わり、
眼色
(
めいろ
)
血走りました。飯島も面色土気色で目が血走りているから、あいこでせえでございます。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これはまた、忍剣の鉄杖より、龍太郎のはや
技
(
わざ
)
より、一
種
(
しゅ
)
べつな
気稟
(
きひん
)
というもの、下郎大九郎は、すでに
面色
(
めんしょく
)
もなく、ふるえあがって両手をついた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
モロは、
面色
(
めんしょく
)
土のごとくになり、
発条仕掛
(
バネじかけ
)
の人形のように、突立ちあがり、椅子をたおした。彼の左手が、ぶるぶる震えるなわのようなものを、右手からひきちぎった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
面色
(
めんしょく
)
の穏かならぬことにはいよいよ驚かないわけにはゆかないのであります。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
富穀
(
ふこく
)
は
面色
(
めんしょく
)
土の如くになって、一語を発することも得なかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
家根屋
(
やねや
)
の清次が助右衞門の死骸を出せと云うに驚き内心には
何
(
ど
)
うして清次が
彼
(
か
)
の助右衞門を殺した事を知っているかと思い、身を
慄
(
ふる
)
わせて
面色
(
めんしょく
)
変り、
後
(
うしろ
)
の方へ
退
(
さが
)
りながら小声になって。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なんじゃ兵庫! おお、益田藤兵衛! そちの
面色
(
めんしょく
)
もただではないぞ」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山三郎も
斯
(
か
)
く有らんと存じて
予
(
かね
)
て用意したる種が島の筒を同じく取出し、「どっこい
此方
(
こっち
)
にも」と鉄砲を附けました、すると粥河は
面色
(
めんしょく
)
を変えまして、これから果し合いを
為
(
し
)
まするお話
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
促
(
うなが
)
されたが、紋太夫は、さすがに
面色
(
めんしょく
)
を失ってしまった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と云われた時は
流石
(
さすが
)
の春見も
面色
(
めんしょく
)
土の如くになって、
一言半句
(
いちごんはんく
)
も有りません。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
福原數馬は
俄
(
にわか
)
に
面色
(
めんしょく
)
を変え、
容
(
かたち
)
を正して声を張上げ。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
“面”で始まる語句
面
面白
面影
面目
面持
面喰
面倒
面長
面当
面貌