“片辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:片邊
読み方割合
かたほとり71.4%
かたえ14.3%
かたべ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これ相州西鎌倉長谷はせ村の片辺かたほとりに壮麗なる西洋館の門前に、今朝より建てる広告標なり。時は三伏さんぷく盛夏の候、あつまり読む者のごとし。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
片辺かたえ引添ひっそい、米は前へ立ってすらすらと入るのを、蔵屋の床几しょうぎに居た両人、島野と義作がこれを差覗さしのぞいて、あわただしくひょいと立って、体と体がれるように並んで、急足いそぎあしにつかつかと出た。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶盆をふすまの片辺かたべへおいて、すこぶるていねいにおじぎをした女は宿の娘らしい。霜枯れのしずかなこのごろ、空もしぐれもようで湖水の水はいよいよおちついて見える。
河口湖 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)