“かたほとり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
片辺41.7%
一邊8.3%
一隅8.3%
偏邊8.3%
片傍8.3%
片畔8.3%
片邊8.3%
片隅8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二十間も座敷の数有る大構おほがまへの内に、唯二人の客を宿せるだに、寂寥さびしさは既に余んぬるを、この深山幽谷の暗夜におほはれたる孤村の片辺かたほとりれる清琴楼の間毎にわたる長廊下は、星の下行く町の小路より
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この木立の極めて黒きは、これに接したる末遙なる海原うなばらの極めてあかければなり。園の一邊かたほとりの石垣の方を見れば、寄せ來る波は古の神祠温泉いでゆあとを打てり。
我等はこゝの一隅かたほとり、廣きあかるき高き處に退きてすべてのものを見るをえたりき 一一五—一一七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼女はY町の偏邊かたほとりの荒れるに委せた墳墓のことを圭一郎が厭がる程しば/\口にした。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
もう是れまで来れば宜いと思うと益々雪の降る気候に向って、く事も出来ませんから、人知れず千島村ちしまむらという処へ参って、水無瀬みなせの神社の片傍かたほとり隠家かくれがに身を潜め
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それをくわしくたずねて見れば、加賀の城下のその片畔かたほとり、能登屋仁平が
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かゝる片邊かたほとりなるひなには何珍しき事とてはなけれども、其の哀れにて思ひ出だせし、世にも哀れなる一つの話あり。問ひ給ひしが因果いんぐわ事長ことながくとも聞き給へ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「はい」と云うと娘の民弥は、クタクタと土へ崩折れたが、「わたしは京の片隅かたほとりに住む民弥と申す者にござります。人買の手にかかりまして……」
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)