“はじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハジ
語句割合
27.2%
10.7%
9.4%
7.1%
7.1%
6.7%
4.5%
4.2%
3.9%
2.7%
(他:129)16.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一彦が、扉を押すために、手をちょっと扉にふれますと、扉はまるではじかれたように、するすると上にあがってしまいました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
常会から帰った浩平にそのことを告げられると、おせきは夜半まで、まんじりともせずに、あれこれと胸の中で算盤をはじいた。
(新字新仮名) / 犬田卯(著)
はじめて吾等われら大難だいなんわかり、それより海岸かいがんいへくがごとさわぎで
かくこれではじめて重荷おもにりたようにかんじ、自分じぶんもどってくつろぎますが
戦闘たたかいはじまってから、女子供おんなこどもはむろんみな城内じょうないからされてりました。
葉書はがきはじまつた御縁ごえんだから毎日まいにちまいづつの往復わうふくぐらゐあたまへだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
その丘は何んでも平一郎の父の友人のある商人が、日露戦争後の起業熱のはげしい折に、鋳鉄業をはじめた失敗のあとであった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
〔補〕里ザクラの大部分は彼の大島ザクラを原として発展し来った事は、今から十余年も前に私のはじめて考定した事実である。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
今しばらく第一の点について一言したい。これをいうについては例のとおり僕はみずから経験したはじもさらさねばならぬ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
鏡に映るわが表情のうちには、無論はかないと云う心持もあったが、そくなったと云うはじも少しは交っていた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おゆうはまだ水気の取りきれぬ髪のはじに、紙片かみきれまきつけて、それを垂らしたまま、あたふた家を出ていった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
幕のはじから、以前の青月代あおさかやきが、黒坊くろんぼの気か、俯向うつむけに仮髪かつらばかりをのぞかせた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おめえも十八だというじゃァねえか。もうてえげえ、そのくれえの芸当げいとうは、出来できてもはじにゃァなるめえぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
すると楊阜はかえってその意気を歓び、自分の降伏は、一時のはじをしのんで、主君のあだを打たんがためであると説明し、
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二三分がむなしく流れた。しめやかに降りそそいでゐた戸外の雨の音が、はじくやうに私の鼓膜に響いて來た。
猫又先生 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
煙草入たばこいれかますさかさにして爪先つまさきでぱた/\とはじいてすこしのでさへあまさなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
房子は、そこに附き添っていてくれた兄の顔を懐しげにじっと見入った。そしてあどけないはじらいを帯びた微笑を口元に浮べて、
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
彼はいきどおるよりも前に、まずおどろき、はじらい、おそれ、転がるように会場からでた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
殊に、かの「文化史大系」に到っては、彼の広汎なる科学的智識をもってしてはじめて完成され得たものと云うべきである。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
私の生活がああいう態度によって導かれる瞬間がたまにあったならば私ははじめて真の創造を成就することが出来るであろうものを。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
崖の上のはじはもう充分に色づいて、どこからとなく聞えて来る百舌鳥もずの声が、何となく天気の続くのを告げるようである。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
はじかえでなんどの色々に染めなしたる木立こだちうちに、柴垣結ひめぐらしたる草庵いおりあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
何だか、唐突だしぬけに謎見たような事だけれど、それが今夜の事の抑々そもそもというのだから、恥辱はじも忘れて話すんだがね……
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おまえさんの壮年としで、独身ひとりみで、情婦がないなんて、ほんとに男子おとこ恥辱はじだよ。私が似合わしいのを一人世話してあげようか」
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これ浅学の余七年間大学部教授ならびに主筆の重職にありながら別にはじ一つかかずお茶をにごせし所以ゆえんぞかし。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
とか申候間とやかく評議致すはかへつて野暮の骨頂なるべくまた人に聞かれては当方のはじにも相なりもうすべき次第。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すると雪子はばねにはじかれたように起ちあがって、ずかずか私の耳のところまでやってきて低声こごえで私にこう言った。
秘密 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
門扉の外でタイアが砂利をはじきとばす音がすると、守衛が特別な鍵で門をあけ、そこから自動車が一台内庭へ入って来た。
乳房 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
答えにつまって、そして羞恥はじらってでもいるような気配がおぼろ勾欄こうらんのあたりでしていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外で揉み合っていた連中は一時に小屋の中へ雪崩なだれこんだ。お芳も逃げるに逃げられないで無慙むざん羞恥はじを大勢のうしろに隠していた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されば従来の『文芸倶楽部』と『新小説』、依然として一は通俗的に一は専門的なる本来の面目を把持はじして長く雑誌界に覇をとなへ得たり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
小さい望みしかもたない人間に、大きな働きを求めても無理である。大きな精神を把持はじさせなければ、大きな労力の効果と能率はあがる筈がない。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多「立派の旦那様にならねいでも、正直にして天地の道に欠けねえ行いをして居れば、誰にもはじる所はねえから、何も構った所はねえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
通人つうじんを以て自任じにんする松風庵蘿月宗匠しょうふうあんらげつそうしょうの名にはじると思った。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼らは三昧聖さんまいひじりとして葬儀の事に預り、古代の土師はじの行った葬儀の職務を行った。
間人考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
そこで、長谷川伸、平山蘆江、土師はじ清二、村松梢風、大佛次郎、吉川英治等が続々と新らしい大衆文芸を提供し、広汎な読者層が、之に応じ始めたのである。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
ツバキの名はこの葉が厚いから厚葉木アツバキの意でそのはじめのアが略せられたものだといい、また光沢があるに基いた名ともいわれている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
始め露国の植物学者シュミット氏がそれを研究してはじめて Petasites giganteus, Fr. Schmidt なる学名を公にした。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
と言つて、薬を飲まされる家鴨あひるのやうに、しつかり口をつぐんだが、物の三十分も経つたと思ふ頃、急にはじけるやうに笑ひ出した。
博士は邪魔物の廂髪をしきりに気にして、やきもきしてゐたが、とうと持前の疳癪玉をはじけさせた。
西空にうすら明りはあるのに、もう美術学校の黄櫨はじの梢は、紅を闇に沈めてただ濃く黒いかげと見えるばかりである。
図書館 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「そうだった!」と山番の一人、バラバラと彼方あなた黄櫨はじの木の下へ駈けだした。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれはハルトマンがはじめたのでハルトマンの前には無かつた。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
是時はじめて異邦の人魚獵するを見るを得たり。
他計甚麽(竹島)雑誌 (旧字旧仮名) / 松浦武四郎(著)
内典ほとけのみのり興隆おこさむとおもふ。方将まさ寺刹てらを建てむときに、はじめて舎利を求めき、時に、汝が祖父司馬達等しばたちと便すなわち舎利をたてまつりき。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
中古より降って始めて多端をはじむ。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
一隅はじには、座蒲団ざぶとんを何枚も折りかさねた側に香立てをえた座禅ざぜん場があります。
楊岐乍住屋壁疎 楊岐ようぎはじめて住するや屋壁おくへきまばらにして
僧堂教育論 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)
「あっ、文庫址ぶんこあとへ、砲弾が落ちた。……おお、小銃弾も、ぶすぶすと、近くの土をはじいている。これは見ておれん」
日本名婦伝:谷干城夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じように感ずればこそ、理兵次もはじを含んで遁亡とんぼうしたものに相違ない。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
こんな棒切れのような長人参などを二人の前へさしだしたら、馬も老人も、軽蔑のあまり笑いだしてしまうことだろう。ひょっとしたら、屈辱はじの感情のために、真っ赤になってしまうかも知れない。
キャラコさん:10 馬と老人 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
恐怖おそれと、恥羞はじに震う身は、人膚ひとはだあたたかさ、唇の燃ゆるさえ、清く涼しい月の前の母君の有様に、なつかしさが劣らずなって、振切りもせず、また猶予ためらう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
記者はこれだけの疑問を読者諸君に呈したいためにこの稿を起した。自らはじらぬ罪は謹んで負う。(大正十四年三月三十一日夜)
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)