“人膚”の読み方と例文
読み方割合
ひとはだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
衣摺きぬずれが、さらりとした時、湯どのできいた人膚ひとはだまがうとめきがかおって、少し斜めに居返いがえると、煙草たばこを含んだ。吸い口が白く、艶々つやつや煙管きせるが黒い。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝日はかくて濡縁ぬれえんの端に及び、たちまちのうちにその全面に射し込んで来て、幾年の風雨にらされて朽ちかかった縁板も、やがて人膚ひとはだぐらいのぬくみを帯びるようになる。
恐怖おそれと、恥羞はじに震う身は、人膚ひとはだあたたかさ、唇の燃ゆるさえ、清く涼しい月の前の母君の有様に、なつかしさが劣らずなって、振切りもせず、また猶予ためらう。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)