“はじめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハジメ
語句割合
34.1%
26.1%
最初11.8%
7.8%
初旬4.2%
太初2.0%
当初1.8%
1.6%
1.1%
冒頭1.1%
0.9%
0.9%
0.7%
上旬0.7%
初発0.4%
創始0.4%
嚆矢0.4%
當初0.4%
0.4%
原始0.2%
中旬0.2%
元始0.2%
初年0.2%
初期0.2%
初發0.2%
創国時0.2%
劫初0.2%
0.2%
0.2%
渾沌0.2%
発端0.2%
0.2%
頭初0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はじめのようにからかう勇気がなくなり、此方こっちも巡査の様子を見詰めていると、巡査はやはりだまったままわたくしの紙入を調べ出した。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一ツの羽子をならびたちてつくゆゑに、あやまちて取落とりおとしたるものははじめに定ありて、あるひは雪をうちかけ、又はかしらより雪をあぶする。
これはつまり土地とち御守護ごしゅごあたらるる神様かみさまでございまして、その御本体ごほんたい最初はじめからどおしの自然霊しぜんれい……つまり竜神様りゅうじんさまでございます。
としはじめといふので有繋さすがかれいへでも相當さうたうもち饂飩うどん蕎麥そば/\のれいよつそなへられた。やはらかなもち卯平うへい齒齦はぐきには一ばん適當てきたうしてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ちょいちょい遊びにやってくる、私も仕事の相間あいま退窟たいくつわすれに、少なからず可愛かあいがってやった、頃は恰度ちょうど、秋の初旬はじめ九月頃だったろう
闥の響 (新字新仮名) / 北村四海(著)
ヨハネ伝は「太初はじめことばあり、言は神とともにあり、言は神なりき」という書きだしでもわかるように、神秘的・哲学的です。
もし入学すれば校則として当初はじめの一年間は是非とも狂暴無残な寄宿舎生活をしなければならない事を聴知ききしっていたからである。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この斎藤というのは名をはじめと言い、藤堂平助と共に、江戸以来、近藤方の腹心であったが、今度は藤堂と相携えて御陵隊へせ加わってしまった。
ちりも置かず、世のはじめの生物に似た鰐口わにぐちも、その明星に影を重ねて、一顆いっか一碧玉だいへきぎょくちりばめたようなのが、棟裏に凝って紫の色をめ、扉にみなぎっておぼろなる霞を描き、舞台に靉靆たなびき、縁をめぐって
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
のみならず冒頭はじめが何だか訳の分らない事から始まるかも知れないから、けっして驚いてはいけません。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
耕作、年はじめて十齢、厚くみずから激励すれば、その前途実に測るべけんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
同じ事許り繰返していふ樣だが、實際どうも、はじめさんの爲方やりかたにや困つて了ふね。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
大正十三年七月二十七日 島村はじめ一周忌(昨年八月二十六日歿)追悼句会。妙本寺の墓にもうで島村邸に至る。
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
天地あめつち初発はじめの時
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鹿川先生といふは、抑々そもそも創始はじめから此学校と運命をともにした、既に七十近い、徳望県下に鳴る老儒者である。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これ写本しやほんの十がうあたるので、表題ひやうだい山田やまだ隷書れいしよで書きました、これせた山田やまだの小説が言文一致げんぶんいつちで、わたしの見たのでは言文一致げんぶんいつちの小説はこれ嚆矢はじめでした
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
狹苦せまくるしい掘立小屋ほつたてごやかれ當初はじめおもんだほどかれためさいはひところではなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それから自分よりは後輩ではあるが、三宅雄二郎、井上円了、有賀長雄、大西はじめ清沢満之きよさわまんし、高山林次郎などという人々も哲学思想の興隆には少なからざる関係があったのである。
そして恐らく、そこに人間の美的本能の唯一な傾向が語られてあるだらう。宇宙の眞理はかうである。「原始はじめに韻律があり後に言葉がある。」
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
原始はじめ、自然民族に於て、うたは同時にうたであり、詩と音樂とは同一の言葉で同一の觀念に表象された。
青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
私がかつて、逗子ずしに居た時分その魔がさしたと云う事について、こう云う事がある、丁度ちょうど秋の中旬はじめだった、当時田舎屋を借りて、家内と婢女じょちゅうと三人で居たが、家主やぬしはつい裏の農夫ひゃくしょうであった。
一寸怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
神と天然とが示すある適当の方法をもってしますれば、この最悪の状態においてある土地をも元始はじめの沃饒に返すことができます。
場所ところ山下やました雁鍋がんなべの少し先に、まが横丁よこちやうがありまする。へん明治めいぢ初年はじめまでのこつてつた、大仏餅だいぶつもち餅屋もちやがありました。
室町の世の初期はじめごろには、御所の直轄ちょっかつで、紺灰座奉行こんぱいざぶぎょうをやっておりましたが、中期なか頃から民営になりまして、紺灰座問屋というのが、この京都に三軒とか許されていたものだそうです。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天地あめつち初發はじめの時、高天たかまはらに成りませる神のみなは、あめ御中主みなかぬしの神。次に高御産巣日たかみむすびの神。次に神産巣日かむむすびの神。この三柱みはしらの神は、みな獨神ひとりがみに成りまして、みみを隱したまひき
創国時はじめのアメリカ人が蛮民だ、人道の敵だと目の敵にして、滅して了ったアメリカ印度人インデアンは、其実、平和の土着民で白人こそ、侵略的で人道の敵だったのと同じことです。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
大海おほうみかたち定めぬ劫初はじめ
一人は久原房之助くはらふさのすけ氏で、今一人は池長はじめという人である。
第一章 そのはじめ
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
草山ひとつ縁の渾沌はじめよりぞ
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
これが発端はじめでございます。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
このとほり、三番さんばんめので、かっきりとれて、四番よばんめのから、あたらしく、おなかたちをくりかへしてゐます。それで、はじめかへうたといふ意味いみで、旋頭歌せどうかづけられたのでありました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
もとよりこの尼御前あまごぜたちは在家ざいけの尼たちであるが、送られた手紙は、文章も簡潔で實に好い。それよりもよいのは、寄進きしんされた品目ひんもくをいつも頭初はじめに書いて、感謝してゐる率直な表現だ。